Z1000Mk2 A.K様 エンジン分解点検 クラッチハブのキズ ミッションシャフトのべリング不適合 シリンダーノキズ スリーブの浮き沈み

  

エンジンの分解点検を進めます。クラッチハブのキズを詳細に確認します。

 

奥から2枚目のクラッチプレートの位置に、1周圧痕が付いています。プレートのギザギザが乗り上げることは考えられず、どのようにしてこの傷がついたのか不明です。クラッチハブは中古品がヤフオクに多く出ているので、程度のいい中古品と交換しようと思います。

 

続いてミッションを分解してベアリングを交換します。手前のトレーにあるものが交換用部品一式です。

  

ハブナットもよく見るとかなり角が丸くなっていますね。これも交換します。

  

ベアリングを交換してアッセンブリーします。現在のハブナット純正部品は92015-1555に置き換わっています。スプリングタイプのセルフロックではなく、カシメタイプのセルフロックナットです。

 

続いてアウトプット側。

 

スプロケ側のベアリングですが、本来はオープンタイプですがシール付きが使われていました。せっかく大量のエンジンオイルで潤滑・冷却や清浄性が保たれるところを、シール付きを使うことでそのメリットが無くなります。

 

ギヤを分解します。

 

ドグはどれも摩耗が少なく良好です。

 

シャフトにはベアリング部分に傷があります。

   

キズはベアリングのインナーレースが接する部分です。おそらくベアリングが破損してインナーレースが回されて付いたと思われます。結構大きな破損を経験したエンジンかもしれません。幸いそれほど肉は削れていないので、継続使用は大丈夫でしょう。

 

スプロケのスプライン部はこちら。結構段付き摩耗していますね。これが酷くなるとスプロケがガタつくので、ナットを規定トルクで締めていてもスプロケが前後に動きやすくなり、更に摩耗を進めてしまいます。初期の原因はスプロケの締め付けトルク不足です。酷い場合はシャフト交換になりますが、中古良品のシャフトはかなり入手困難です。今回の場合は継続使用します。

  

付いていたシール付きベアリングと純正同型のベアリングを比較します。

  

汎用のベアリングなら安価なのですが、スラスト方向の位置決め用ポジションリング溝が切ってあるので専用品となり高価なベアリングとなります。付いていたシール付きの方は、あとから溝を切ったのでしょうか。

 

ベアリングを交換してアセンブリーします。Oリングとカラーも新品交換します。

 

ミッションオーバーホール終了です。

 

ヘッドは大きく面研するので、エキゾーストスタッドを外します。

  

スタッドはサビが多いので全数交換します。

 

続いてシリンダー。固着しているダウエルピンを外します。

 

そのままプライヤーでつまむとつぶれて取りにくくなるので、内径に合うドリルを差し込んでつまむと、力が入ってしっかりつかめます。

  

グリグリ回して抜きます。

 

カムチェーンガイドを外します。偏ったところでかなり強く当たって摩耗していますね。カムチェーンガイドローラーの異常摩耗が原因でしょう。

  

スリーブにも異常があります。デッキ面から飛び出している物、引っ込んでいる物と色々です。

1番シリンダーはスリーブが飛び出しています。指で触ると直ぐにわかります。

 

本来は圧入で組んであり面一なのですが、組み付け後に分解して出っ張っているということは、スリーブは過去に脱着され、きちんと奥まで圧入しなかったのでしょう。おそらくゴミかバリが挟まっていると思われます。

 

定規を当てるとこんな感じ。ノーマルガスケットならこのくらいの段差は吸収できますが、メタルガスケットはシビアなので段差があるとNGです。

 

反対に4番はスリーブがデッキ面より沈んでいます。

  

こちらは原因不明。本来ならスリーブ圧入後に面研して面を合わせます。

 

シリンダー内のスカッフの様子はこちら。4気筒共結構縦キズがあります。車両入手時に0.5ミリオーバーサイズピストンに交換したとのことで、走行距離はそれほど多くないようです。

   

画像では少しわかり難いですが、前後方向に上から下まで強い当たりがあります。オーバーヒートでのスカッフはポイント的に当たりが強くなることが多いですが、前面にキズがある場合は、ボーリング時のクリアランス設定が狭すぎたのではないでしょうか。

  

ボルト穴周辺に深い傷もあります。前側左右ともにあります。

  

スリーブの穴できれいに途切れているので、スリーブは脱着していると思われます。

  

スリーブスカートの一部にはあばたがあります。これも深いサビの痕ではないでしょうか。シリンダーは一旦スリーブを外して内部を点検し、上下面共に面研することになります。

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