S1スイングアームの修理 エキセンハウジングのクラック他

 

希少なフルコピータイプのS1スイングアーム修理のご依頼です。手前がその現物です。各所にクラックや大きな削れ、凹みなど多数あります。

 

特に致命傷なのはエキセントリックハウジングのクラックです。左側は上側が一度破断して溶接修理されています。

 

内側から見るとこんな感じ。外側からだけ溶接してありました。

 

右側はこんな感じ。こちらも外側から溶接で盛られていました。

 

クラックは内側まで達しています。

 

他にもピボット周りにも大きなクラックがあったり、スタンドフックも大きく削れています。

 

トルクロッド受けは下側から上側に移設されています。

 

キズや凹みはこんな感じ。

 

こちらはトラスの曲がり部分に凹みがあります。

 

当初からの予定で、今回エキセンハウジングは削り出した別の部品に左右とも総取り換えします。

 

先ずは破損しているエキセンハウジングを削除します。

 

初めはハウジング部分だけを丸く切り取る予定でしたが、プレートの傷みも多く、作業性と仕上がりも考えて、エンド部分のパーツは全て切り取って作り直すことに。

 

ハウジングを全て削り取ります。

 

こんな感じで新しいハウジングを取り付けます。

 

トルクロッド受けも切り取ります。右のピボット後ろ側にも大きなクラックがあります。

 

凹みや傷を溶接で盛ります。

 

トルクロッド受けを削除し、研磨します。削れた溶接ビードは復元しておきます。

 

エキセンハウジング取付用の治具にセットします。

 

正確に位置出しします。幸い、大きな歪は無いようです。

 

ハウジングを溶接します。

 

スイングアームを反転させ、裏側からも溶接します。

 

ハウジングの溶接が完了しました。このあとはサス受けやスタンドフックなどのパーツを作って復元していきます。