Z1000Mk2 K.T様 ミッションカバー交換

  

今回は、フロントブレーキのカスタムと、エンジンからのオイル漏れ修理のご依頼です。

 

先ずは、ミッションカバー周りのオイル漏れ修理から。

現状は、停めておくと直ぐに床にオイルが垂れてくる状態です。

 

スプロケカバーのボルトを外しますが、前側の長いボルトは純正より短いです。画像にある分だけしかねじ込み代がありません。

 

長さを測ると120ミリ、純正は125ミリなので5ミリ短いです。ここはクランクケースの雌ネジを労わりたいので、必ず純正長さのボルトを使用してください。

 

スプロケカバーを外します。

 

スプロケットを外します。ミッションカバーは耳の部分が折れており、シフトシャフトのオイルシールからのオイル漏れが酷い状態です。

 

ミッションカバーを外すので車体を右に傾けます。

 

フロントブレーキレバーを輪ゴムで止めておくと、より安定します。

 

ミッションカバーを外します。

 

アウトプットシャフトのカラーも摩耗しているので交換します。

 

奥にあるOリングも交換します。

 

ガスケットを剥がし、オイルストーンで面出しします。

 

取り付け面を脱脂します。

 

手前がお持ち込みの交換用ミッションカバーです。オイルシールは新品交換します。

 

新しいオイルシールを圧入します。

  

ミッションカバーを取り付けます。

 

スプロケ周りを復元します。

 

スプロケナットは規定トルクより高い13kg・mで締め付けておきます。

 

ロックワッシャーをしっかり折り曲げます。

 

続いてもう1ヶ所あるオイル漏れ箇所を点検します。

エンジンマウントの奥のブライドプラグから漏れているとのこと。

ボルトを外すとかなりオイルが付着していますね。

 

よく見ると、ブラインドプラグがかなり奥に押し込まれているようです。

 

通常はケースの面と同じ高さですが、こちらは5ミリほど中にないっています。

長いエンジンマウントボルトを使ってしまい、押し込んでしまったのでしょうか。

内部に脱落すると厄介ですね。

 

周辺を脱脂します。

 

暫定の処置として、液体ガスケットで塞ぎます。

 

ブラインドプラグとその穴に液体ガスケットを充填しておきます。これで止まればいいのですが。

 

スプロケカバーを取り付けます。ボルトは純正長さの125ミリを使います。

 

ねじ込み代はこの位。

 

続いて、ブレーキペダル周りのモディファイです。

オーナーさんの好みに合わせ、ブレーキペダルの短縮と高さをもう少し下げます。

 

ペダル高さのお好みがかなり低いそうで、もう少し調整代が欲しいとのこと。

 

プッシュロッドのアジャスターを外します。

 

ペダルも外します。

 

ペダルとアジャスターをそれぞれ少しカットして切り詰めます。

 

カットした部分に新しくナットを溶接し、塗装します。

  

続いて、フロント周り。

ローター、キャリパー交換と、キャリパー位置はお好みの前置きに変更します。

  

ホイールを外します。

 

ローターを外します。

 

かなり摩耗しているので、ニューキャリパーの性能を引き出すために同時交換します。

 

新しいローターはサンスターのトラッドタイプです。

 

キャリパーを前置きにするので、フォークを抜きます。

 

フォークを左右入れ替えて取り付けます。

 

フロント周りを復元します。

 

キャリパーとスポークなどのクリアランスを確認します。

 

塗装が乾いたので、ブレーキペダルを取り付けます。

 

これで更に一体感が増すでしょう。