カムホルダーのネジ山が破損しているので、ヘッドを外して修理します。

マフラーを外します。

だいぶ底打ちしているようです。

ヘッドを外します。


燃焼室のカーボン堆積は多めです。

ヘッドガスケットは、3・4番側が上下逆に組まれていました。

シリンダーを少し浮かせます。

スタッドボルトの周りに溜まっている砂などがかなりあります。


クランクケース内に落とさないよう、先に掃除機で吸っておきます。

先ほどの逆組ヘッドガスケット。ボアのグロメットの楕円側をヘッド側にするのが正解です。

シリンダーを外します。

ピストンヘッドのカーボンもかなり多めです。

堆積したカーボンの厚さは1ミリほど。

シリンダーは比較的きれいです。

バルブステムシールは、エキゾースト側がかなり硬化しています。

クラックもかなり入っています。


先に見つけたオイル通路のバリを除去します。

内径にフィットするドリルで揉み取ります。

バリ取り完了です。

ヘッドのカーボンを除去します。

燃焼室側も全面に1ミリほどカーボンが堆積しています。

カーボン除去中。

ほぼ、カーボンが取れました。

カムホルダーネジを修理します。
ほとんどにヘリサートが入っていましたが、1Dの短いものでしたので、トルクに耐えられなかったようです。全て除去し、下穴を底まで開け直します。

ヘリサートタップを底まで立てます。

ヘリサートのタップ立てが済んだら、ヘリサートを挿入します。
深い穴なので、押し込み用に3段重ねしています。

ヘリサートを押し付けながら、ハンドルは回転方向だけに力を入れます。

ヘリサートが所定の深さまで入ったら、タングを折り取ります。

細いドライバーをマグネタイザーで磁化します。

ネジ穴の底から折ったタングを回収します。

今回は、通常より5ミリほど奥にヘリサートを設置しました。
多くの場所で口元のネジが破損しているためです。

ボルトは全数ロングボルトに交換します。

ロングボルトを手でねじ込み、スムーズにそこまで入ることを確認します。

これを16ヵ所のネジ山に全て行います。

ヘリサートが全て挿入できました。規定トルクが掛かるか確認します。

シリンダーのM6ネジも傷んでいたので、両側ともヘリサート加工します。


バルブのカーボンを除去します。バルブは特に問題無いので継続使用です。

ヘッドの組み立て準備ができました。

スプリングシート入れ、ステムシールを圧入します。
圧入したら、デンタルミラーでスプリングがしっかりはまっているか確認します。

ヘッドの組み立て完了です。

ピストンは、外してカーボンを除去します。

純正0.5ミリオーバーサイズです。

カーボンを除去して点検します。特に問題無いので継続使用します。

ケースのガスケットを剥がし、ピストンをセットします。

シリンダーを挿入します。

ヘッドガスケット、Oリング、チェーンガイドなどをセットします。
ヘッドガスケットの向きはこれが正解です。

ヘッドを組み付けます。


