先日リヤショックを交換し、今日はフロントフォークオイルを交換して、前後の車高が決まったら、サイドスタンドの傾きを修正します。

先ず、フォークオイルを抜きます。ドレンを緩め、

バイクにまたがり、フォークをストロークさせます。

出てきたオイル量は、問題無いレベルです。

ドレンビスの奥のガスケットも外します。

新しいドレンビスとガスケットを取り付けます。

フォークのトップキャップを外します。

エアバルブは目詰まりしているので交換します。

新品のエアバルブを取り付けます。

フォークオイルはカワサキG15です。オイルレベルは規定値狙いです。

フォークオイルを入れます。

フロントフェンダーには、オイルクーラーコアと干渉した痕があります。
前回、1センチほど突き出していたインナーチューブを元に戻しておきましたが、このままフルボトムできるでしょうか。

フロントホイールの下にジャッキをセットします。

フォークを縮めていくと、フェンダーとオイルクーラーが干渉します。
これでもまだフォークはフルボトムではありません。


市販のオイルクーラーキットは、このようなレイアウトが多いので要注意です。

ホースも長すぎるので、合わせて修正します。

コアを外します。

オフセット用のブラケットを製作します。これで20ミリアップします。

オフセットブラケットを取り付けます。

コアを取り付けます。

この状態がフルボトムです。これで干渉は無くなります。
実際の走行では、ここまでフルボトムすることは先ず稀ですが。

フォークを何度かストロークさせてエア抜きしたら、オイルレベルを調整します。

フォークスプリングをセットします。

トップキャップを取り付けて、エア圧を規定値にします。

続いて、クーラーホースの修正です。この位車体側にフィットさせます。

ホースは80ミリほどカットが必要です。

使用中のホースをカットする場合、予めカット位置にウエスを仕込んでおきます。

そのウエスごとカットします。

残りのウエスを取り出せば、ホース内にゴミが入ることはありません。

フィッティングを組み付けます。

反対側も同様にカットします。

ホースの修正が完了しました。

前後の車高が上がったところで、現在のサイドスタンドでの傾きはこのくらいです。

修正後の角度を想定し、リジットラックで車体を支えます。

サイドスタンドは5センチくらい浮いた状態です。これを修正します。

サイドスタンドを取り外し、カット位置にマーキングします。

3分割します。

直線的に、且つ、少し長くなるように並べ替え、溶接で仮付けします。

車体に合わせて長さを確認します。

V字開削した部分を全て溶接で埋めていきます。


溶接で盛ったら、仕上げに研磨します。

車体に取り付け、角度と剛性感をチェックします。

塗装して完成です。


バンク角も十分です。

続いて、エンジンカム周りを点検します。これはエンジン整備の履歴が解らないので、念のための点検です。

プラグキャップはしっかりはまっていませんでした。
内部のターミナルをみると、かなり錆びています。


ターミナルには、接点復活剤を塗布しておきます。

キャップの滑りが悪いので、ダミーのプラグにシリコングリスを塗って、キャップ内を潤滑しておきます。

奥まで差し込むとこの位置まで入るので、キャップ取り付けの際は確認しましょう。

ヘッドカバーを外すので、コイルを外します。

ヘッドカバーを外し、カム周りを点検します。

先ず、クランキングを正転逆転し、テンショナーの具合を点検します。
少しバックラッシュがでるので、テンショナーは戻り易くなっているようです。

バルタイを確認するため、クランクを1番上死点に合わせます。


バルタイはズレています。

エキゾーストは1コマ遅れています。

インテークも1コマ遅れています。

バルブクリアランスを計測します。こちらも半数は要調整です。

カムホルダーの締め付けトルクを確認します。
ボルトが手で回せるところもあり、5か所はトルクが掛かりませんでした。

黄色いマークがトルクが掛からなかったところです。


シリンダーのM6ボルトも、トルクが掛かりませんでした。

テンショナーを外すため、キャブを外します。

テンショナーはノーマルです。

キャブホルダーは劣化してクラックが入っています。

エンジンをCCDカメラで内視します。


4気筒ともこんな感じで、カーボンの堆積は多め、酷いシリンダースカッフは特にありません。

カムチェーンを観察しながら正転逆転クランキングすると、テンショナーが引っ込むのが確認できました。

インテークバルブは4気筒ともこんな感じできれいです。

テンショナーを外します。

少し手で戻せる状態なので、新品交換します。

カムホルダーを外します。トルクの掛からない所はネジ山がせん断されています。

カムを外します。一部、ヘリサートで修理されていますが、ヘリサートも傷んでいるところがあり、今回は全数にヘリサートを入れたいので、ヘッドを外しての作業となります。

2番インテーク側のカムメタルの穴に何かあります。

メタルを外してみます。

何か、上からつついたような痕があり、バリが出ています。ヘッド分解時に取り除いておきましょう。

エンジンは腰上分解の必要ありとなりました。


