Z1000Mk2 A.K様 エンジン分解点検 ヘッド クラッチ

 

 エンジン分解点検の続きです。ヘッドを分解点検します。

 

タコメーターギヤのところから結構オイル漏れしています。これはよくあります。

  

オイル漏れの主な原因はOリングのヘタリです。こちらも完全に潰れていますね。Oリングを新品交換しても比較的早く漏れてくる場所です。交換作業はし易いので、漏れてきたら早めに交換しましょう。

 

バルブリフターははこんな感じ。摩耗は比較的少ない方でしょうか。ヘッドのリフターホールも特に大きなキズは有りませんでした。今回は交換できる部品は新品交換する予定なので、リフターも交換します。

 

バルブを分解します。Mk2純正のバルブスプリングはシングルレートですが、付いていたのはプログレッシブレートのスプリングでした。おそらくJ系の純正と思われます。プログレッシブレートのスプリングの場合、密巻をヘッド側にして組むのですが逆に組まれていました。

  

外してみると内外スプリングの半数ほどは上下逆に組まれていました。

  

エキゾーストポートを見ると、オイル下がりの症状は4気筒とも無いようです。

  

バルブステムのガタをチェックします。全箇所問題ありません。

 

このバルブは抜くのにかなり抵抗がありました。

  

コッター溝の下あたりに強く当たって擦れたところがありますね。おそらく打痕があって摩耗した痕でしょう。それと、本来Mk2のバルブはコッター溝が丸型ですが、これはZ1系の角型溝ですね。

 

他のバルブも見てみると、みんなZ1系の角溝でした。

 

ところがコッターをよく見ると、16個の内1個だけ丸溝が使われていました。角溝に丸コッターは適合しないので、コッター外れなどの不具合が起きる前に見つかってよかったです。今回、バルブとコッターはセットで全交換します。

 

バルブを外した燃焼室はこんな感じ。カーボンの堆積は少なめです。

 

通常、使用過程でバルブシートにはカーボンの噛み込みが多少あったりしますが、このヘッドはバルブシートが非常に奇麗です。バルブ側のバルブフェースは段付き摩耗していましたが、バルブシートは摩耗も少ないです。

 

カーボンを落として更に点検します。

  

ヘッドのデッキ面は広範囲に腐食の凸凹がかなりあります。

  

オーナーさんも気が付いていて、インマニにキズがあるとのこと。

  

キズはこれですね。線キズが外から中まで繋がっています。

  

オイルストーンで研磨してみます。

  

内側は平面が出てきました。このくらいなら液体ガスケットを溝に埋めて組めば大丈夫でしょう。

  

カーボン落とし後はこちら。プラグホールのクラックは無いようです。

  

デッキ面に激しい腐食の痕がありましたが、エキゾーストポートにも酷い腐食痕があります。

  

4気筒の内3気筒にはエキゾーストポートの出口下側が酷いあばたになっています。

 

デッキ面の腐食痕もよく見てみましょう。

 

酷いところは1ミリ以上肉が減っています。面研しても全ては取り切れませんが、最低限、ボアの周りとボルト穴周囲は平面を確保しないといけません。面研量はかなり多くなりそうです。

  

デッキ面には他にも打痕やひっかき傷も多数あり、マークしたところは問題があるところです。クランクケースやシリンダーには特に酷い腐食や大きなキズがないので、ヘッドの状態と合わない気がします。ヘッドは別のエンジンから持ってきたのかもしれません。

  

クラッチとミッションも分解点検します。

 

クラッチハブは根元の方に1周キズがあります。

  

傷の位置は内側から2枚目のフリクションプレートの位置です。現状のクラッチ板には異常が無いので、過去に破損した時の痕跡でしょうか。

 

クラッチのダンパースプリングはキズとガタが多いので、オーバーホールしてスプリングは新品交換します。

 

クラッチ板はこちら。現状では特に傷んだ感じではないですが全交換します。

 

ミッションを分解点検します。

 

ドグの摩耗はやや多め。ギヤ抜けするほどではないので継続使用でいいでしょう。ミッションギヤは替わりが無いので、今後はより一層丁寧なシフトチェンジが必須です。

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