エンジンオーバーホールとメインハーネス交換、新規登録などのご依頼です。新規輸入車を入手後、お気に入りのキャブとマフラーを揃えてからの入庫となりました。
先ずは、交換するメインハーネスなどを外します。ハーネス類は比較的柔軟性があり、車両の程度がいいのをうかがわせます。
ヘッドカバーを外します。エキゾーストカム側の焼けもなく、エンジン内部はきれいですね。
バルブクリアランスを計測します。こちらも全て規定値内です。
カムホルダーネジのトルクを確認します。こちらも全て問題ありません。
カムを外します。
ヘッドを外します。カムチェーントンネルのOリングなどは、まだ柔軟性があります。ピストンはノーマルのようです。
ヘッドは軽くリペイントされていますが、オリジナルの状態をよく保っています。
燃焼室はカーボンの体積がやや多め。
カムチェーンローラーのゴム部分の痛みも、年式の割に少なめです。走行距離が極端に少ないか、あまり回さずに走り続けたのよう。
ボアはノーマルのφ70ミリです。
ピストンも「KL250」の文字がある純正です。スカート部のスカッフもほとんどありません。
ピストンリングを見ると、トップとセカンドは全面当たりしておらず、摩耗が進んでいないことがわかります。
ピストンピンを抜いてピストンを外します。
腰上分解終了です。
エンジンが軽くなったところでフレームから降ろします。
エンジンが下りました。
エンジン台車に載せます。
カバー類を外し、エンジンを反転させます。
オイルパンを外します。
スラッジの体積は見られますが、これも年式の割には少なめで、異物も特に無いようです。
ケースボルトは固着していた1本が折れました。腰下は初めて開けるようです。
ロアーケースが外れ、3軸があらわになりました。こちらも焼け色が無く、かなりきれいですね。
クランクを外し、点検します。振れは0.04ミリで問題ありません。ベアリングも全てスムーズに動きます。テーパー部分もきれいです。
点検棒を通してみます。軽くスルっと通るので芯ズレも無いようです。
ミッションのドグも大きな摩耗は無いようです。
クランクケースアッパー側を点検します。
ベアリングハウジング部分は、フレッチングの痕も無くいい状態です。ノックピン穴周辺のクラックもありません。
ボルトやネジ山の異常は、折れてしまったこの1本だけのようです。