Z1000Mk2 T.T様 エンジン全分解

 

エンジンオーバーホールとメインハーネス交換、新規登録などのご依頼です。新規輸入車を入手後、お気に入りのキャブとマフラーを揃えてからの入庫となりました。

 

先ずは、交換するメインハーネスなどを外します。ハーネス類は比較的柔軟性があり、車両の程度がいいのをうかがわせます。

 

ヘッドカバーを外します。エキゾーストカム側の焼けもなく、エンジン内部はきれいですね。

 

バルブクリアランスを計測します。こちらも全て規定値内です。

 

カムホルダーネジのトルクを確認します。こちらも全て問題ありません。

 

カムを外します。

 

ヘッドを外します。カムチェーントンネルのOリングなどは、まだ柔軟性があります。ピストンはノーマルのようです。

 

ヘッドは軽くリペイントされていますが、オリジナルの状態をよく保っています。

 

燃焼室はカーボンの体積がやや多め。

 

カムチェーンローラーのゴム部分の痛みも、年式の割に少なめです。走行距離が極端に少ないか、あまり回さずに走り続けたのよう。

 

ボアはノーマルのφ70ミリです。

 

ピストンも「KL250」の文字がある純正です。スカート部のスカッフもほとんどありません。

 

ピストンリングを見ると、トップとセカンドは全面当たりしておらず、摩耗が進んでいないことがわかります。

 

ピストンピンを抜いてピストンを外します。

 

腰上分解終了です。

 

エンジンが軽くなったところでフレームから降ろします。

 

エンジンが下りました。

 

エンジン台車に載せます。

 

カバー類を外し、エンジンを反転させます。

 

オイルパンを外します。

 

スラッジの体積は見られますが、これも年式の割には少なめで、異物も特に無いようです。

 

ケースボルトは固着していた1本が折れました。腰下は初めて開けるようです。

 

ロアーケースが外れ、3軸があらわになりました。こちらも焼け色が無く、かなりきれいですね。

 

クランクを外し、点検します。振れは0.04ミリで問題ありません。ベアリングも全てスムーズに動きます。テーパー部分もきれいです。

 

点検棒を通してみます。軽くスルっと通るので芯ズレも無いようです。

 

ミッションのドグも大きな摩耗は無いようです。

 

クランクケースアッパー側を点検します。

 

ベアリングハウジング部分は、フレッチングの痕も無くいい状態です。ノックピン穴周辺のクラックもありません。

 

ボルトやネジ山の異常は、折れてしまったこの1本だけのようです。