シリンダーベースのガスケット剥がしの続きからです。
こちらは剥がす前。

ガスケット剥がしは、2日に渡って合計2時間半かかりました。

ピストンが入荷したら、この後0.5ミリオーバーサイズへのボーリング加工です。

続いてヘッドの修理です。
×印15ヵ所がヘリサートを新規に入れる、もしくはヘリサートの交換箇所です。

先ず、ヘリサートタップ用の下穴を開けます。

ヘリサートタップを立てます。

ヘリサートを挿入します。

奥のタングを折ります。

マグネットドライバーで折ったタングを回収します。

ボルトが奥までスムーズに入ることを確認し、規定トルクが掛かるかも確認します。

15か所のヘリサート加工が終わりました。続いて、エキゾーストスタッドボスの修理です。

10ミリに拡大された箇所を溶接盛りして元の8ミリに戻します。

先ず、溶接トーチが入る方向に大きく削ります。

内部にボルトの残骸などは無いようですね。

溶接で少しづつ盛っていきます。


アルミは溶接盛り中に垂れやすいので、向きをいろいろ変えて盛り続けます。

盛り上げ完了です。

外側を少し整形し、治具を使ってスタッド穴の位置を割り出します。

初めは下穴の中心に細いボルトで穴開けします。その後、下穴径へ拡大します。

タップを立てます。

他のネジ穴も全てタップで修正し、エキゾーストスタッドのネジが全て復活しました。


取り付けもピッタリです。

続いて、燃焼室とポートのカーボンを落とします。

カーボン落とし後がこちら。

バルブシートは特に損傷はありません。シートカットされてだいぶ下がっているようなので、コストを考えて今回はバルブ擦り合わせして継続使用とします。

溶接修理部分は、更に仕上げてこんな感じにできました。


