Z1000J1 F.T様 中古新規登録の準備 ワークスパフォーマンス初期型とCR33取り付け ハンドル交換

 

中古新規登録のご依頼です。書類は車検証返納証の状態で、車体もこの状態でしばらく寝かせてあったとのことです。ここから変更したいカスタム計画もあるとのことですが、今回の作業はとりあえず車検を取って最低限乗れる状態まで仕上げます。

 

キャブはパイロット加工済みの新品CR33をお持ち込み。こちらに変更します。

 

スロットルバルブのエンジン側に、パイロットポートが追加で加工されているのが確認できます。

 

先ずは定番の加工、ケーブル受けのネジ山を削除します。

 

アイドルアジャストスクリューはリモートタイプに変更します。ケーブルそのものが回るので、保持するタイラップは緩く止めておきます。

 

付属していたスピゴットは左側のZ系用でした。J系エンジンなので内径の大きい右側のJ系用に変更します。

 

内径はほぼノーマルのキャブホルダーに合わせて作られており、Z系用とJ系用はポート径の際上にスピゴットの内径には大きな差があります。

  

ジェッティングも確認します。ニードルジェットは少しきつめに締め、メインジェットだけ外れるようにしておきます。

 

付いていたメインジェットは120番でした。CR33の場合は概ね120~128の間に収まるのでセッティングはここから始めましょう。

 

スロージェットも番手を確認します。

 

パイロット系が追加されているので、スロージェットは少し小さくしておきます。

 

パイロットスクリューも確認します。

 

戻し量は2回転にしておきます。

 

Oリングを入れてからスピゴットを取り付けます。

 

キャブホルダーを嵌めてエンジン側から見るとこんな感じ。たいていのJ系用スピゴットは、純正キャブホルダーよりやや大径で、少し押し広げながら付く感じですね。内径は面一になります。

 

付属していたキャブホルダーは1131の方でしたが、装着したJ系スピゴットとは抜け止めとしてある内部の出っ張りの形が違うので適合しません。

 

1131のホルダーはJ系ノーマルキャブで突起が三角の形をしており位置も奥の方です。


このスピゴットに適合するのはJ系でもう1種類ある1135の方です。

 

こちらの突起は丸型で、突起の前後位置も1131とは異なり少し口元よりとなります。組み合わせを間違えるとキャブの収まりが悪くなるので要注意。

 

スペシャルのニードルも付属していましたが、ストレート径は2.775ミリでY7系と同じですね。

 

1種類ではセッティングでストレート径が選べないので、初めから付いていたCR純正のY9から始めます。CR33の場合、概ねY9~Y7の範囲に収まります。クリップ段の方は車両により大きく異なるので、セッティングを詰めていくと段数の多いYY系を使うことになってくると思います。

 

キャブのプリセットが終わりました。

 

リヤショックは今回購入いただいた初期型のワークスパフォーマンスに変更します。オーバーホール済みでスプリングもリペイントしてあります。

 

初期型の特徴はリザーバータンクとアッパーエンドアイが溶接してある点です。よりスペシャルな感じがしますね。但し性能は後期型と比べ特に変わらないと思います。

 

全長も現状より少し長くなりますが、362ミリはS1スイングアームだとちょうどいい長さです。ですが現車はZRX400のスイングアームなので、サス受けの位置が高いため車高はやや高めとなります。

 

既存のワークスパフォーマンスを外します。経年でナイロン製のブッシュはかなり劣化していますね。ナイロンは空気中の水分と反応して劣化するので、長期に使用するとみんなこうなります。

  

ロアーブッシュも同様に砕けていました。

 

車高調キットは外します。

 

初期型のワークスパフォーマンスを取り付けます。安定したビジュアルです。

 

車高を下げようとエキセントリックを上下反転してみましたが、リヤキャリパーのブリーザーが干渉するのでできませんでした。ローターとキャリパーはスズキ純正でしょう。

 

既存のFCRを外します。

 

既存のハンドルは高すぎるので、弊社定番のAREA製スーパーバイクハンドルに変更します。

 

既存のハンドルを外します。

 

クラッチケーブルのルートも純正と異なるので修正します。ケーブルはハンドルを切ると引っ張られて上下するので、タイラップで固縛するのはよくありません。

 

ケーブルは外してエンジンオイルを給油しておきます。

 

レバーの軸もグリスアップします。

 

レリーズの遊びも調整します。J1なのでMk2と同じ形状の小さいボールベアリングの入ったタイプなので、調整方法はその後のJ系とは逆方向でMk2と同じです。

 

ケーブルは純正のクランプでフローティング状態で支えます。エキパイとのクリアランスが狭いので、クランプは2個使いします。

 

ハンドル交換後、スイッチを復元します。純正スイッチBOXには位置決めの突起がありますが、カスタムすると突起が邪魔になるので削除します。

 

削除後はこちら。

 

スロットルケーブルにもエンジンオイルを給油します。

 

スロットルパイプがグリップより短いので、グリップがはみ出る部分にはグリスを多めに塗っておきます。

 

スターターロックアウトスイッチは、煩わしいので抜いてキャンセルしておきます。

 

ハンドル周りの完成です。現状、ハンドルポストも高過ぎるので、今後はノーマルステムへの変更をお勧めします。

 

既存のキャブホルダーは劣化でクラックがあるので、ちょうどいい交換のタイミングとなりました。

 

キャブの固定バンドは、ファンネルにして片持ちにする場合はしっかり締めたいのでウォームタイプのホースバンドを使います。締め付けて長く余る場合は切り詰めます。

 

切り口は鋭利になるので削って丸めておきます。このままだとケガすることも。

 

丸めた後はこんな感じ。これなら安全です。

 

CRキャブ取り付け完了です。

 

ウインカー点滅がおかしいので、ハイレスポンスになるスズキのリレーに交換します。

コメントを残す