Z1R1 T.K様 さらに分解点検と構造検討

 

メーターはオーバーホールとゼロが真下に来る下振り変更するとのこと。施工していただくクラフトビーさんに送る準備をします。

 

メータを単体に分解します。

 

メーターハーネスは傷みが多いので交換した方がいいでしょう。ダンパーはゴムホースを切ったものが使われていますね。オーバーホール後はきちんと純正のダンパーとカラーにします。純正部品で適正にマウント・防振しないと早期に壊れる恐れがあります。オーバーホール後の補償もノーマルのダンパーとカラーでのマウントが条件です。

 

メーター裏を掃除し点検します。

 

カバーのネジは片方タッピングビスが使われていたので、M3のタップで修正しておきます。

 

トリップダイヤルは軸に接着されているようです。破損していたら他に部品取りメーターが必要ですね。

 

カチ上げの激しいマフラーは交換することに。

 

マフラーを外します。

 

今回スカチューンなので、イグニッションコイルは元の場所に戻そうと思います。既存のホーンはかさばるので小型化する予定。

 

ホーンを外します。このスペースにイグニッションコイル4個を収めるのはなかなか大変です。

 

エンジンスライダーも外します。

 

左側のエンジンマウントもプレート式に変更されています。ボルト座面の辺りが偏っていますね。

 

プレートとカラーを当ててみると、フレーム側に3ミリほど隙間が空きます。プレートは斜めに付いていたようです。フレームは多岐にわたって改造されていますが、あまりきちんと計画されて作られているわけではないようです。このように、初めて入庫した改造車の場合、不具合が見つかる度に車両に対する注意度が上がります。

  

右のスライダーも外します。

 

こちらのマウントプレートも片当たりしていますね。

 

こちらも1ミリほどズレているようです。プレートを厚いアルミに変え、フレームダウンチューブにも横渡しの補強があるため、締め付けでプレートやフレームが変形してなじむことはありません。形だけのフレーム補強と言わざるを得ません。

 

左下のマウントもプレート化されています。分解点検したほうがいいでしょう。

 

エンジン前方にオイル漏れがあります。

 

カムチェーントンネルのOリングから漏れているようです。この機会に修理をお勧めします。

  

4番エキゾーストポートです。ガイドの外側に湿り気があるので、ガイドとヘッドの隙間からオイル下がりしているようです。今後、悪化して白煙が多くなるので、機会を見つけて修理するといいでしょう。

 

次にリヤ周りです。

 

レイダウンの際にリヤショックの左右スパンをかなり広げてあります。使用しているホイールのチェーンラインに干渉しないよう、リヤショックをオフセットさせたのでしょうか。ボスが2個付いているのが不思議です。今回は幅が狭くなるのでこのボスは一旦削除します。

 

リヤホイールを外します。

 

スイングアームに大きなスラストガタがあります。

 

ガタの様子はこんな感じです。

 

スイングアームを外します。

 

ミッションカバーがかなりカットされていますね。

 

チェーンガイドローラーもワンオフ製作のようです。既存のチェーンラインとズレているので、もとはもっと太いタイヤが入っていたようです。

 

フレーム内側もかなりえぐってあります。

 

スイングアームは他車流用品です。

 

ピボットはこんな感じで左右にカバー付き。

 

スイングアームのピボット幅よりセンタースリーブの方がかなり長いのでスラストガタが出ていたようです。ベアリングも飛び出しているのが変ですね。

 

幅は1ミリほど狭いようです。

 

今回変更する仕様は、ザッパーステムとノーマルスイングアーム改造のトラス仕様です。スイングアーム素材は上のZ1R純正を使う予定。一旦、したのLTD用で取付確認します。

 

ノーマルスイングアームを仮組します。フレームが狭くてきついです。

 

スイングアームは無事ハマりました。リヤショックはこれだけオフセットされています。

 

とりあえずリヤショックを仮組します。スイングアームはワイドタイヤ用に潰して逃げを作ってあります。

 

使用予定のリヤショックはこちら。ナイトロンのGREEN GARAGEバージョンです。1人乗り専用設定です。

 

仮の18インチホイールを取り付け、フルバンプを想定してホイールを持ち上げます。

 

リヤサスがフルバンプするとリヤタイヤはここまで上がってきます。ノーマルのリヤインナーフェンダーが膨らんでいるのはタイヤとのクリアランスを稼ぐためです。

 

真上にある追加の横渡しのパイプはギリギリセーフ。

  

前方はフレームのシルエットにかなり食い込みます。

 

フレームの上面とタイヤのクリアランスは極わずか。社外のインナーフェンダー使用の場合はクリアランスに要注意。

  

エンジンはツインプラグなので結構いじってある様子。始動に力がいるのでバッテリーは大型のショーライがいいでしょう。

 

このバッテリーをテールカウル内に収めるのは厳しいので、スイングアーム上に配置しようと思います。

  

サイドスタンドは既に脱着式に変更されています。今回ZRX250純正に変更しますが、取り付けピッチが少し異なるようです。

 

フレーム側の方がやや狭いので、長穴にして対処する予定。組立過程で車高と車重が決まったら、長さも調整して傾き具合を適正化します。