Z1000Mk2 W.H様 エンジン腰上分解点検

 

エンジンの腰上を分解します。

 

その前に、バルブタイミングを計測します。組んだ時と同じなので、カムチェーンの伸びなども特に無いようです。

 

カムを外します。インナーシムのリフターや、カムメタルもきれいな状態です。

 

マフラーを外します。

 

ヘッドを外します。ヘッドガスケットの変形などもありませんね。特にビッグボアだと、カムチェーントンネル付近のヘッドガスケットは幅が狭いので、ダメージを受け易い個所です。

 

燃焼室はこんな感じ。サーキット走行が多いので、カーボンの堆積は少ないですね。

 

シリンダーを外します。

 

シリンダーは比較的きれいな状態です。酷いスカッフなどは見られません。

 

ピストンを外します。

 

使用しているピストンは、PAMSプロデュースのピスタル製φ75ミリです。リングの摩耗もまだ少ない状態です。

 

クランクに点検棒を通してみます。4気筒目はやや引っかかりますが、一応全部通せるレベルです。クランクベアリングのガタなどもありません。

  

シリンダーベースのガスケットを剥がします。今回は組んでから2年半くらいなので、割と剥がし易い状態です。

 

ピストンとシリンダーの洗浄が終わりました。特に問題はありません。

 

バルブを外します。ガイドのガタは少な目です。

 

燃焼室のカーボン堆積の様子です。ボアがφ75ミリと大きいので、外周部分のスキッシュエリアとなる部分にカーボンが溜まっていますね。

 

リムーバーとブラシでカーボンを落とします。

 

バルブもカーボンを落として点検します。

 

カーボンを落として洗浄したヘッドを点検します。

 

燃焼室は、数ヵ所にクラックがみられます。特に2番は、プラグホールとシートリング間に2ヵ所、インテークとエキゾーストのシートリング間にも1ヵ所、合計3ヶ所クラックがあります。よくあるクラックですが、まだまだ浅いのでもうしばらくこのヘッドは使えそうです。

 

これから圧縮比を少し上げる予定なので、ヘッドの厚みを確認します。面研量は0.1ミリ程度でしょうか。

  

シリンダーも厚みを計測します。こちらの面研量は0.2ミリほどのようです。合計でノーマルから0.3ミリの面研が施工済みといった感じ。

 

カムは旧型のヨシムラST-2から、お持ち込みの現行型中空タイプのST-2に変更します。これでヘッド周りが少し軽量化できますね。