発電不良で、ジェネレーターの出力が弱いというところまでわかっている状態での修理のご依頼です。ステーターコイル交換を前提に分解点検します。

ジェネレーターカバーを外すとマグネットが激しく割れていることがわかりました。ステーターコイル自体もかなり黒焦げな状態です。割れる原因となることは心当たりがないとのこと。転倒以外でマグネットが破損するのは稀な症状です。

ステーターコイル自体もかなり黒焦げな状態です。

ローターを交換するのでスタータークラッチ周りも分解します。

3個あるマグネットの内、1個は粉砕し、1個は接着が剥がれていました。これでも特に異音に気づかず走っていたとのこと。

スタータークラッチのローラーピンは、1個が穴の奥にはまったままです。異物を噛み込んだのでしょうか。スタータークラッチも交換します。

ジェネレーターローターは生産終了の為ストック品を使用。クラッチとギヤ、コイルは純正新品を使います。ダンパーラバーはPMC製の厚さ7.3ミリを使用。

中古良品のローターに新品部品をアッセンブリーし、エンジンに組み付けます。

ローターの締め付けは規定トルクでしっかりと。

メインハーネス側の配線端子も新品交換して接続します。

スプロケカバーとペダル周りを復元。クラッチ滑りが若干あるとのことで、レリーズの遊びを調整しておきます。

発電は無事に復活。正味3時間ほどの作業でした。
