モトマーチンZ F様 サイドスタンド修正

今回のメニューは、サイドスタンドの加工とスマホホルダーの取り付けなどです。

サイドスタンドでの傾きが、現状では非常に立っています。

 

17インチ化されて車高が下がったのも原因のようです。

サイドスタンドの前方への角度も緩いので、

何かの拍子にスタンドが外れて倒れてしまいそうなので修正します。

 

合わせてスマホホルダーも取り付けます。

トップブリッジ上面に取り付けますが、

使いたいホルダーに平面用のマウントが無いので製作したのがこちら。

 

ステム上面に空いていたM8のネジ穴を使って取り付けます。

 

旧車とは言え、ナビにもなるスマホは必需品ですね。

 

続いて本題のサイドスタンドの修正です。

先ず、ボルト止めのスタンドを外します。

 

前方への回転角度を増やすので、ストッパー部分を少し切り欠きます。

 

サイドスタンド本体は少し短縮するので、切断ヶ所をマーキングします。

 

斜めにカットして15ミリほど短縮します。

 

現車合わせで細部を修正します。

 

長さと先端の向きを微調整し、溶接で点付けします。

 

外して本溶接します。

 

V字に大きく切り欠き、溶接で盛り上げます。

 

凸部分を研磨します。

 

加工が済んだら、再度取り付け確認します。

 

サイドスタンドを塗装して乾燥させている間に、

チェーン引きの動きが気になるというリヤ周りを点検します。

 

現状はチェーン引きのスライドがスムーズではなく、

左右を同じ位置に合わせるのが困難とのこと。

エンドのナットを締めても左はアクスルが引き寄せられないそうです。

 

左右で大きく位置がズレています。

 

アクスルシャフトを抜こうとすると、

かなり渋いので棒でたたき出す感じでやっと抜けました。

 

曲がりは無いようですが、キズが多数付いて引っかかっていたようです。

 

キズの凸部分をオイルストーンで修正し、

サンドペーパーでラッピングします。

 

チェーン引き自体は動きが渋く、左右とも手では引き出せない状態。

スイングアームの長穴部分が潰れてかなり変形している模様。

 

チェーン引きのボルトを一旦外し、旋盤で長さを0.3ミリほど短く加工し、

スムーズに動くようにしました。

 

エンドプレートは、大きなトルクが掛かり中心が落ち込んでいます。

 

プレスで平面に修正します。

 

修正後はこちら。

 

ホイールも外し、ベアリングやダンパー周りも点検します。

 

リヤのアクスルシャフトは交換することにし、

ちょうどいい長さの中空シャフトに変更することに。

素材はZZR400の純正部品です。

 

φ20ミリ部分がスイングアームよりわずかに出て、

ネジ部分がM18ミリとなるのでワッシャーの内側に段付きの逃げを付けます。

 

セルフロックナットも新品交換、

チェーン引きの動きもスムーズになりました。

左右のワッシャー外径は同じφ40ミリなので、

長穴の隙間の大きさで、左右のアライメントを確認できます。

 

サイドスタンドの塗装が乾いたので取り付けます。

前方への角度十分、接地面の角度も水平になりました。

 

傾きはこのぐらい。これで安心して停められるようになりました。