Z1000S1 I.T様 リヤキャリパーオーバーホール

  

2年前にレストアして公道に戻ったこちらのS1、リヤキャリパーからフルードが漏れてきたとのことで修理します。

 

キャリパーのピストンをのぞき込むと、フルードが漏れて濡れていました。

 

キャリパーを外します。

 

内外ともに漏れてきているようです。

 

ピストンを外して外径を確認します。

 

合わせて厚みも計測。

 

左にあるフルレプリカのフロント用S1キャリパーと比較します。

 

ピストン径はフロントよりだいぶ小型です。

  

Z1000R純正シールが、S1のリヤに使えるとの情報を事前に得ていたので、シールは準備しておきました。確かにピストンは同じ直径です。

 

Z1000R純正のピストンシールはこちら。当時とは品番が変更されています。

 

S1シールの厚みはこちら。

 

1000Rシールの厚みはこちら。少し薄いようです。S1の方はもしかしたら膨潤して厚くなっているかもしれません。

 

キャリパーは水で洗浄します。

 

洗浄後はよくエアブローし、真夏の天日でしばらく乾かします。

  

キャリパーを天日干ししている間に、小物を整えます。ピストンは汚れを取るときれいなままだったので継続使用できます。

 

パッドピンとブリーダーも、汚れを落として研磨します。

 

キャリパーは工業用ドライヤーでも熱し、内部に残っているかもしれない水気を飛ばします。

  

S1リヤキャリパーはあまり見る機会が無いので、フルレプリカのフロントS1キャリパーと比べてみます。外観ではリヤ用はトルクロッド受けがあり、ブリーダーが上下逆に付いています。

 

裏側はこんな感じ。型の大部分は共通する感じです。

 

パッドも同じサイズが入ります。

 

リヤローターはフロントより厚みがあるので、キャリパーの溝もリヤが広いですね。

  

新しいシールを入れて組み立て、ホースをつなぎます。

 

キャリパーを一旦外して真空引きし、フルードを流します。

 

ブリーダーを上に向けてエア抜きします。

 

キャリパーを正規に取り付けます。

 

カワサキ車は車種間の部品流用が多いと思いますが、そのおかげで修理できました。合理的でオーナーに優しい設計思想だといつも思います。

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