Z1B N.T様 バルタイのズレ

  

アイドリング不調の原因究明の続きです。スパークプラグを新品交換してチェック走行しましたが改善せず。再びプラグを外して点検します。

 

交換したてのプラグで、左から1・2・3・4番です。5キロほどのチェック走行だけでプラグの焼けにこれだけの差が出ました。エンジン本体に異常がありそうです。

 

コンプレッションを計測します。

 

4気筒ともかなり低く、基準値を下回っていました。バルブクリアランスがほとんど無く、バルブが閉まり切っていないなども考えられます。

 

ヘッドカバーを外し、カム周りを点検することにします。

 

オイルクーラーホースが邪魔になるので、ホースを外しブラインドプラグを取り付けます。

 

ホースとプラグコードを邪魔にならない所によけておきます。

 

ヘッドカバーを外します。

 

バルブタイミングを確認するので、クランクを1番上死点に合わせます。

 

カムスプロケの位置でバルブタイミングを確認します。

 

エキゾースト側はマークがヘッド上面に合っていて正解です。

 

マークの次のピンを1番とし、28番目がインテークカムスプロケの28番マークと合っているか確認します。

 

インテーク側は1コマ後ろにズレていました。カムスプロケは30丁です。1サイクルはクランク2回転の720°、その1/30なので24°インテークカムが遅れていることになります。

 

意図して組まれたものとは思えないので、アイドリングの不調はバルタイを正しくすれば改善するでしょう。マニュアルのバルタイの説明はこちらです。

 

カムはWEBのグラインドNo.110です。リフトが10ミリ強あるのでステージ2レベルと言えます。

 

このWEBカムのバルタイ推奨値はこちら。INT106° EXH108°です。

 

バルブクリアランスは全て正常でした。

 

現在のバルタイを正確に計測してみます。先ずは4番上死点を正確に割り出し、タイミングヒールをセットします。

 

次にエキゾーストバルブのタイミングを計測します。104°です。

 

次にインテークバルブのタイミングを計測します。141°でした。推奨値より35°遅れています。このままノーマルカムスプロケで正しく組んだ場合でも推奨値とは程遠くなってしまうので、アジャスタブルタイプのカムスプロケの使用が必須です。