Z1000J1 F.T様 エンジン下ろし

  

リヤ周り作業の続きです。アクスルシャフト周りのカラー寸法が決まったところで、新しく下側にトルクロッドの受けを設置します。ちなみにこの既存のスイングアームは暫定で、これとは別にZRX400純正をベースにしたS1スイングアームレプリカを製作します。途中から追加されたアイテムで、製作に時間がかかるので後日改めて製作します。なので今回はこの既存のZRX400スイングアームを繋ぎに使います。

  

トルクロッドの受けをメインパイプの下側に溶接します。

  

簡単に塗装しておきます。

 

仮組してトルクロッドの長さを決め、6ミリ厚のジュラルミン板から切り出します。

  

穴開けし、外観を整えます。

 

トルクロッドを取り付けます。

  

ヘッドライト周りは収まりのいいノーマル部品に戻すので、純正のヘッドライトステーも準備しました。

 

少しねじれたように曲がっているので板金修理します。

  

先端も潰れているので修正します。

 

修正後はこちら。

 

ノーマル同様ブラックに塗装します。

 

続いて本題のエンジンです。いろいろ不審な点がある車両なので、エンジンも全分解して点検することになりました。

 

オイルクーラーホースを外します。フィッティングを緩める時にかなりフリクションがありました。

  

ネジ山に噛んだような跡があります。このネジを修正するダイスはなかなか無いので、コアごと交換することになるかもしれません。

  

ヘッドカバーにある2次空気導入装置に付いていたブラインドホースです。

 

クラックがあるので要交換。できれば2次空気導入装置のコブの無いシンプルなヨーロッパ仕様のカバーに変更したいですね。

 

ヘッドカバーを外します。裏側にボルトの当たった痕が無いので、カムホルダーは酷いことにはなっていないもよう。

 

カムは純正です。ボルト類も純正のままですね。とりあえず整っています。

 

スパークプラグを外します。締め付けトルクはかなり弱かったです。

 

座面のガスケットが潰れていませんね。やはり締め付けトルク不足でした。

 

結果、プラグの締め付けは4本とも全てトルク不足。一番下は規定トルクで締めていたもので、ガスケットが潰れて薄くなっています。締め付けが弱いと走行中に緩んでプラグが遊び、ヘッド側の雌ネジを痛めることがあり、車両の生涯で幾度となく脱着を繰り返す場所なので、これ以上ネジを痛めないよう必ず規定トルクで締めることをお勧めします。因みに新品プラグは座面に当たってから3/4回転締めれば規定トルクになると箱に書いてある時代もありました。参考まで。

 

プラグネジの1ヶ所はヘリサートで修理されていました。やはりここは修理の無いヘッドがいいですね。

  

バルブクリアランスを計測します。全ヵ所狭くなっていました。狭くなる理由はバルブシートとバルブフェースの摩耗が主な原因です。シム厚を薄くして対応できればいいですが、それでも足りない場合はステムエンドカットし、それでも足りない場合はバルブシート交換となり修理費は高額になっていきます。詳しくはヘッドを分解して点検します。

 

カムホルダーネジのトルクをチェックします。

 

トルク抜けは3ヶ所有りました。少し回ってからトルクが上がるところもありましたが、そこは既に雌ネジがせん断しかかっている状態だと思います。ネジは16ヶ所全数ヘリサート加工します。

 

ヘッドを外します。ヘッドガスケットは純正ですが、上下が逆さまです。

 

燃焼室はこんな感じ。カーボンの堆積は少なめで、目立った損傷は無いようです。

  

純正のヘッドガスケットはビードの形状が上下で異なり、こちらの楕円側を上にして組みます。楕円側をシリンダー側にすると、スリーブの段差にかかったりして圧縮漏れを起こしたりするので要注意。

  

シリンダーを外します。

 

ピストンはノーマルですね。ボアもノーマルです。

 

シリンダーを点検します。

 

多少のスカッフはあるものの、段付き摩耗も極小で、継続使用は十分可能な状態です。

 

スナップリングを外し、ピストンピンを抜きます。スムーズに指で押し出せるので、走行距離が少ないと思われます。

  

トップリングの摩耗もベタ当たりではないのでやはり走行距離は少ないようです。ちなみにピン穴横にある「ART」という鋳出し文字は、広く純正ピストンを作っているアート金属工業のマークです。

 

ピストン裏側の焼けも少な目めです。

 

腰上を分解したここまでは、致命的な損傷は無いようです。どちらかというと程度のいいエンジンのようです。但しクランクケースまで分解した痕跡があるので予断は許せません。

 

エンジンオイルを抜きます。

 

エンジンをジャッキで支え、マウントボルトを外します。

 

エンジンを下ろします。

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