Z1000A G.S様 交換用クランクケースの点検

転倒によりクランクケースを破損した車両です。

ようやく準備が整い、復旧を開始します。

 

交換用に入手しておいたクランクケースはこちら。

形式は同じKZT00AEです。

 

ボルトの折れ込みがあるので修理します。

 

中心に穴を開けます。

 

エキストラクターを使って取出しを試みますがびくともしません。

 

ドリル径を徐々に太くして削り取ります。

ようやく折れ込んだボルトが取れました。

 

ネジ山も傷んでいたのでヘリサートを挿入することに。

ヘリサートタップを立てます。

 

 

ロングボルトを加工して作った深穴用のヘリサート工具で挿入します。

 

挿入完了しました。

 

面を修正するため、サビついて取れなくなったダウエルピンを外します。

内径に合ったドリルを差し込み、上からバイスプライヤーでつかみます。

つぶれずにしっかりつかめるので抜き取り易くなります。

 

他のダウエルも同様に。

 

ネジ山は点検の上、タップをたてて清掃しておきます。

 

将来のビッグボア化に備え、ケースボーリングしておくことになりました。

目標のスリーブ径に近いシリンダーを合わせてみます。

 

裏側から覗いてみます。

 

ケースの穴はややオフセットしているため、前側半分くらいが干渉している感じです。

 

外注でケースボーリングするので、シリンダーのスタッドを外します。

 

外側のスタッドはダブルナットで外れました。

 

それ以外は固く固着しているので、ダブルナットにしたぐらいでは到底外れません。

スタッドはしっかりしているので折れることは無さそうです。

ナットを溶接して回り止めします。

 

これでようやく緩めることができました。

 

30分ほど格闘して、ようやくスタッドが外れました。