Z1000S1 I.T様 薄型ジェネレーター取り付けとS1スイングアームのオーバーホール

 

ジェネレーターを薄型に変更します。

 

スプロケカバーを外します。

 

フロントスプロケは肉抜きのある630サイズ、これがS1オリジナルです。歯数は14丁が付いていました。今回は530にコンバートします。

 

スプロケ奥のカラーはロングタイプが付いていますね。

 

S1のエンジンはマニュアルによると左に3ミリオフセットして搭載されています。先ほどのロングカラーと合わせてチェーンラインは約10ミリオフセットされていることになります。当時の幅の広いレース用スリックタイヤを逃げるための設定でしょう。

 

ジェネレーターローターを外します。ダンパーが裏表逆に付いていますね。

 

クランクケース側面の4個のネジ穴は、S1のクランクエンドを塞ぐカバーを止めるための物。下部のオイル通路が溶接で塞がれているのもS1の証。この車両は公道仕様にするためそこに穴が開けられています。

 

薄型のジェネレーターローターを仮組します。スターターギヤにダンパーのフリクションがあるか確認します。ダンパーの厚みはこれでちょうどいいようです。

 

ローターボルトにはネジロックを塗布しておきます。

 

ワッシャーは2面を削っておくと、あとでレンチを掛けやすいです。

 

規定トルクで締め付けます。

 

スタータークラッチのボルトは仮止めなので、ネジロックを塗布して規定トルクで締め付けます。

 

薄型のジェネレーターローターが付きました。磁石はネオジムで強力なので、かなり薄く小型化されています。軽量なのでエンジンのピックアップも良くなります。

 

ステーターコイルはここを確認します。アダプターの隅に逃げ加工が無いのでこのまま締め付けても密着しません。使用中に緩んでくる原因ともなるので改修します。

 

コイル側内径部はエッジがたっているので面取りします。

 

C0.5ほど面取りしておきます。

 

これで密着するようになりました。

 

ハーネスガイドを既存のカバーから取り外して移植します。

 

カットカバーの溶接部には、オイル滲みしないよう念のためシリコンボンドを塗っておきます。

  

ステーターコイルを取り付け、ハーネスガイドも取り付けます。ガイドの奥側は突起に引っかかるようにしておくといいです。

 

薄型ジェネレーター取り付け完了です。

 

続いてスイングアームを分解点検します。

 

ピボットベアリングのスリーブは、錆びてかなり消耗しているので交換することに。

 

ピボットベアリングを外し、新しいベアリングを圧入します。ベアリング類は純正が使用できます。

 

既存のスリーブは長さが少し詰められていました。フレーム内幅が少し狭くなっているようです。

  

未加工ではフレームに組めなかったので、スリーブを同じように少し短縮します。

 

フレーム側も少し広げておきます。