Z1000Mk2 H.H様 エンジン分解点検 概ね良好

 

サビサビのタンクは、サビ取り剤を入れて一晩経ちました。どこまで落ちたでしょうか。

 

まだ所々点々とサビが残っていましたが、表面はかなりあばたになっています。もう少しサビ取りしたいところですが、サビが酷いタンクに長時間サビ取り剤を入れておくと、場合によっては深いサビが溶けてピンホールとして貫通することがあります。極わずかなサビは実用上あまり問題無いので、サビ取りはここまでとしておきます。

 

エンジンはピストンを外してから降ろします。

 

外したピストンはこちら。前後面にややスカッフがあります。

 

ピストンリングのアップです。トップリングを見ると、まだベタ当たりしておらず、まだまだ継続使用できる状態です。

 

軽くなったところでエンジンを下ろします。

 

ジェネレーターローターを外そうとすると、ワンウェイクラッチがガタガタなのに気づきます。

 

外してみるとボルト3本とも緩んでいました。

 

その内1本は折れていました。分解歴のあるエンジンは、ここの緩みが散見されます。おそらく規定トルクで締めていないからだと思います。ここのM8ボルトの規定トルクは、びっくりするほど大きいのです。

 

クランクのテーパーはきれいです。

 

エンジンを反転して腰下を分解していきます。

 

オイルパンを外します。かなりスラッジが堆積しており、粒々の異物がかなりあります。

 

異物はみんなオレンジなので、ジェネレーターローターのマグネットを止めている接着剤の破片のようです。これは程度の差はあれど、どのMK2にも見られる現象です。

 

クランクケースを分離します。ギヤのドグなどもきれいです。

 

ロアーケースはこんな感じ。ベアリングハウジングは、どこも痛みは少ないですね。

 

シフトフォークも焼けなど無いようです。

 

クランクを点検します。ベアリング類は回転がスムーズでガタは無し。振れは0.03ミリで規定値内です。

 

コンロッド小端部に点検棒を通します。4番目は通りませんが、ズレはわずかなので特に問題が起きるほどではないでしょう。

 

クランクケースアッパーです。

 

左に激しく転倒するとクラックの入りやすいこのノックピン周り、このケースは無事のようです。

 

続いてヘッドを分解点検します。

 

バルブガイドのガタはそれほど大きくはありません。

 

抜くのに渋かったバルブが3本あり、外してみるとステムがサビていました。このくらいなら研磨すれば使えそうです。

 

バルブシートを点検します。

 

カーボン噛み込みもほとんどなく、きれいな状態です。当たり幅も狭いので、消耗は少ないようです。

 

エキゾーストスタッドはサビが多いので交換します。抜けない物はバーナーで炙ってから外します。

 

無事、折らずに外せました。

 

燃焼室も目立つキズは無いようです。ポートと燃焼室にリムーバーを塗布してしばらく放置、カーボンを浮かせておきます。

 

電装系も全交換する予定です。

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