Z1000J1 T.H様 エンジン腰上分解

 

エンジンの腰上を分解点検します。

 

ヘッドカバーを外します。バルブタイミングは正常、カムはノーマルですね。カム山などいたってきれいです。

 

バルブクリアランスは少々バラツキはありますが、異常な値はありません。

 

カムホルダーネジのトルクも全てかかります。

 

カムを外します。カムメタルはやや消耗気味です。

 

ヘッドを外します。ヘッドガスケットはノーマルですね。Oリング類の傷み具合も少な目です。

 

ピストントップのカーボンはも少な目。

 

シリンダーを外します。

 

シリンダースタッド穴には砂利などが溜まっているので、シリンダーを外すとこのように落ちてきます。

 

クランクケースは分解しない予定なので、ゴミは掃除機で吸い取っておきます。

 

シリンダーは大きなキズも無くきれいな状態です。

 

ボアはノーマルのφ69.4ミリです。

 

燃焼室のカーボン堆積も、この年式にしては少な目です。

 

ピストンを外します。走行中にサークリップが叩かれてサークリップ溝が内径側に変形すると、ピストンピンが容易に抜けなくなります。その時はピストンピンプーラーでピンを抜いてピストンを外します。

 

ピストンもノーマルです。

 

ピストンリングは摩耗してベタ当たりの状態です。ピストンは特に問題無いので、リングだけ交換しましょう。

 

コンロッド小端部もキズなど無くきれいです。

 

小端部にクランク点検棒を通します。J系では珍しくスルっと抵抗なく通ります。クランクの芯もあっているようです。

 

コンロッド小端部をつまんで、大端部のベアリングの状態を点検します。ガタ無くスムーズに動くので問題無いようです。腰下は特に分解の必要は無いようです。

 

エンジンはシリンダースタッドを脱着したような痕があり、腰上は分解歴があるようですが、相当前に実施されたようで、シリンダーベースのガスケットはかなり固着しています。おそらく2~30年は経っているでしょう。ガスケットを剥がす難易度はMAXレベルです。

 

ベースガスケットを剥がし始めて4時間が経過しました。まだ半分も剥がれていません。剥がし終わるまでには10時間くらいかかることになりそうです。