Z1000S1 I.T様 S1公道仕様復活計画開始

 

S1のレストアと車検所得のご依頼です。今回の車両はバイカーズステーション誌で長年連載されていた車両なので、オーナーさんと一緒に目黒の編集部に引き取りに伺いました。フロントブレーキが無かったので、持参したノーマルキャリパーを取り付け、借り物だった前後ホイールも準備していったノーマルホイールに換えてからトランポに積み込みます。

 

ガレージに到着後、一通り現状確認します。

 

もともと車検があって公道を走っていた車両なのですが、現在は車検証返納の状態です。エンジンはクランクケースに刻印の無い新品ベースで組まれた別のS1エンジンになっているので、登録の際に少々手間がかかりそうです。

 

ステムはS1オリジナル、フロントカウルステーは後で作られたものです。インナーチューブはサビが無いのでオーバーホールすれば使えそうです。

 

ステップもS1オリジナルを保っています。リヤマスターは交換されていますね。

 

サイドスタンドはZ1000R純正が後付けされています。傾きが大きいので修正する予定。

 

リヤショックはFOXです。こちらもオーバーホールする予定。

 

リヤキャリパーもS1オリジナルのリヤ用です。

 

フレームはリペイントされていますが、特に加工の痕は無いようです。

 

タンクもS1オリジナルです。材質もスチールなので、ノーマルとほぼ同じ重さ。ブリーザーとメッキのノーマルキャップもS1オリジナル。

 

タンクの裏側です。フューエルセンサー穴が無く、コックは左後方にM22ミリコックが1個だけ。

 

ブレーキ周りはこんな感じ。一通りS1オリジナル品です。但しフロントマスターはAP製。

 

フロントのキャリパーサポートはプレートを曲げて作ったS1オリジナル。スロットルもS1オリジナルですが、エンドは少し切り詰めてあるとのこと。

 

フロントローターの裏側はこんな感じ。ベアリングもオープンのオリジナル品のようです。ローターのスリットは切り欠いてありませんね。外周部は繋がっています。

 

リヤローターの裏側はこんな感じ。フロントと同様にインナーローターは鋳物製。

 

フロントキャリパーもS1オリジナル。ブリッジパイプが銅製で短いのが特徴。

 

マフラーはKERKERのKR管。サイレンサーはストリート用が付いています。

 

リヤショックを外します。左上のマウントナットは特殊形状。つば付きでワイヤリングの穴があるS1オリジナル品。

  

ナットの内側はオフセットされたリヤショックを支えるために少し突き出ています。

 

上側ショックマウントのオフセットカラーはフレーム直付け。

 

上から見るとこんな感じ。

 

スイングアームもS1オリジナル品。スイングアームに限らずいたるところにワイヤリング用の穴が開いており、即実戦に使えるようにできています。

 

リヤショックロアーマウントの段付きカラーも4個揃っていますね。現在のリヤアクスルシャフトは転がし用。S1オリジナルはφ25ミリの中空シャフト、それも別にありました。

 

リヤのFOXには、オプションスプリングも付属していました。

 

内容は、シングルレートのシングルスプリングと、ダブルスプリングの2タイプ。線径や巻き数が異なるので、全て異なった仕様です。

 

オーバーホール後は、とりあえず未使用のきれいなスプリングを組み込む予定。

 

全長は約365ミリと一般的な長さです。

 

エンジンは既に完成して火入れも終わっているとのこと。電装系と足回りを装着すれば直ぐにでも走れそうですね。