Z1000R1 K.K様 ワークスS1仕様製作 ワークスクラッチレリーズ チェーンローラー S1ローターオフセット修正

 

クラッチレリーズ周りをワークスタイプに変更します。レリーズ周りはPMC製のイージークラッチキットを流用します。シフトシャフトの支持用には、純正のミッションカバーにガイドを溶接して対応します。

 

ミッションカバーのオイルシールは、ノーマルと同じ3カ所に入れます。

 

ミッションカバーを取り付けます。

 

プッシュロッドはJ用をカットして使います。ミッションとクラッチがZ1100Rなので、Jよりさらに短くなりますね。

 

レリーズレバーは、適正なクラッチの切れを確保するため、キット同梱の腕の長い物は使わずに左のノーマルを使います。これで「イージー」ではなくなりますが、クラッチの切れ量確保を優先します。

 

レリーズとケーブルをプレートにセットします。

 

エンジンに組付けたらプッシュロッドの遊びを適切に設定します。

 

内部はこんな感じ。

 

クラッチレバーはJより少し長いZ1300純正品を使います。

 

チェンジロッドとリンクを現車合わせで製作し、取り付けます。

 

追加でS1スイングアーム用のチェーンローラーを製作します。ナイロンの棒から切り出したのがこちら。

 

スイングアームを外してローラーを取り付けます。ナイロンローラーはピボット部分で回転する構造なので、摩耗しにくく耐久性があります。

 

リヤスプロケは当時風に穴無しソリッドタイプに変更します。

 

スイングアームを復元します。このローラーがあるだけで、チェーンとスイングアームの干渉はかなり軽減できます。

 

続いてフロントS1キャリパーに関する問題の対応です。現状はローターオフセットが小さいため、ホイールを組んだ状態でキャリパーが脱着できません。

 

ローターオフセットを増やすために、フロントローターを分解点検します。

 

手持ちの3ミリ厚のスペーサーでオフセット量を増やしてみます。

 

ローターの外々で約130ミリ。これは普段弊社で製作しているS1ローターのスパンと同じです。ノーマルステムでも成立する最大スパンです。

 

これならパッド付でS1キャリパーが脱着できます。

 

このホイールに合わせたスペーサーを製作します。

 

3ミリ厚のジュラルミン板から切り出します。

 

旋盤で内外径を仕上げます。

  

ホイールにはめて確認します。

 

穴開けします。

 

スペーサーが完成しました。

 

これで片側3ミリずつオフセットが増えます。

 

予定通りの130ミリです。

 

ホイールを復元します。この車両はフォークスパンが15ミリ拡大されているので、まだローターとフォークアウターのクリアランスは余裕があるように見えますが、ステムはノーマルに戻す可能性もあるのでロータースパンは130ミリまでにしておきます。

 

お持ち込みのキャリパーサポートで収まるようになりました。

 

シムを使ってキャリパーのオフセットを調整し、キャリパーのセンターとローターを合わせます。

 

サポートのスペーサーは11ミリがちょうどいいようです。

 

このサポートだとローター外周よりパッドが4ミリほど外に出てしまいますが、通常走行なら特に問題は無いでしょう。但し、はみ出す部分の摩材は削っておく必要がありますね。

  

そろそろゴールが見えてきた感じです。