Z1000J2 F.K様 ライトステーの修正

 

右側の修復が済んだので、今度は左と前の修復です。

 

フロントフェンダーは、滑走の最後に側壁に激突して先端が大きく変形してしまいました。

 

他にも、ジェネレーターカバーが削れ、左ステップもプレートごと曲がっています。

 

ジェネレーターカバーは、削れた上に溶接部にクラックが入りオイル漏れしています。

 

ステップはこんな感じ。

 

ステッププレートは曲がっているので作り直します。

 

ステッププレートは8ミリのジュラルミン板から切り出します。

 

仕上げにヘアラインを付けます。

 

ステップペグは曲がっていなかったので再使用。

 

新しいステップを取り付けます。

 

続いてジェネレーターカバーを交換します。

 

カバーは同じカットカバーの新品に。

 

ステーターコイルを新しいカバーに移植します。

 

左ステップとジェネレーターカバー、修復完了です。

 

今回の転倒は、左タイトコーナーでこの部分が接地してリヤタイヤが浮いたことに起因します。

 

サーキットではスタンドごと外すのでバンク角は問題ありませんが、ストリート用にもう少しバンク角を稼いでおきます。

スタンドブラケットの突起の部分をカットします。

 

これでバンク角数°は稼げるでしょう。あとは寝かさない乗り方を研究してみてください。

 

サイドスタンドはこの位置でしっかり止まるので大丈夫。

 

続いてフロントフェンダーを修正します。

 

暫定的な修理で良いとのことで、剥がれそうな塗装とパテ盛りを落とします。

 

裏側から叩いて板金します。

 

板金終了。

 

塗装の断面を滑らかに削ります。

 

スプレー塗装します。

 

ハンドルロックも飛んでしまいました。

 

溶接が純正でないので、もともと修理されていたものでした。

 

取り付け面を研磨します。

 

1000Jのノーマルサイズのストッパーを鉄の厚板から切り出します。

 

磁石で仮止めします。

 

溶接で点付けします。

 

周辺に熱が行かないよう、直ぐに濡れタオルで冷やします。

 

濡れタオルで冷やしながら、点付けを繰り返して少しずつ溶接します。

 

溶接完了です。

 

フロントフェンダーの塗装が乾いたので取り付けます。

 

少し減らした切れ角はこのくらいです。

 

イグニッションキーは根元で折れたので、スイッチごと交換します。

 

使用するのは今でも買えるエリミネーター250の純正品です。この品番が配線が似ているので一番流用し易いです。

 

ステムへの取り付けはボルトオンです。カプラーが違うので配線は加工が必要です。こちらのメインハーネスはZ1000R2純正品。

 

カプラーを250型に変更して接続完了。この状態でエンジン始動チェックもできました。

 

メーターブラケットは大きく曲がってしまったので、同じパワービルダー製のステンレス製強化品に交換します。

 

メーターはタコとオドが大破、スピードの本体はかろうじて無事。

部品取りのメーターと組み合わせて修復します。

 

燃料計は配線の一部が切れました。

 

ドナーのメーターから端子を外し、メーターハーネスと接続します。

 

燃料計本体もドナーと交換。

 

ライトステーも大きく変形しています。

 

なかなかの希少品なので、曲げ直して修理します。

 

プレスやハンマーを使い、元の形に近づけます。

 

ほぼ元通りに修正できました。

 

ライトステーを取り付けます。

 

ヘッドライト内のアルミカラーも片方が割れました。純正は生産終了なのでZ1000Rのカラーを加工して使います。

 

内径を拡大、外径はアルミテープを巻いて拡大。長さは削って同じに。

 

取り付けるとこんな感じ。ヘッドライトケースも大きく変形したので社外の新品です。

 

ヘッドライトケースを取り付けます。

 

ほぼ、元の形に復元できそうです。