Z1000Mk2 M.H様 電装系の不具合

 

電装系不具合点検のご依頼です。合わせて車検の時期なので車検も。

 

先日の筑波走行でコースオフ後に転倒したそうで、メーター周りはまだ修復中とのこと。その続きから行います。

 

ライトステーはウインカーを後退させたいとのことで、新規に製作します。

 

製作後はこちら。

 

新しいライトステーを取り付けます。

 

電装系不具合の内容ですが、メインヒューズが頻繁に飛んだりウインカーが点滅しなかったりと不規則な症状です。ヘッドライト周りを点検すると、イグニッションスイッチからの出力線の接続ミスを発見。他にも断線やプラス端子の露出などがあるのでひとつづつ潰していきます。インジケーター線も断線していたので修理します。

 

切れていたアース線をソケットにハンダ付けします。

 

メーター周りも復元し、間違いないよう結線していきます。

 

フロント周りは完成しました。

 

リヤウインカーも破損していたので交換します。配線も整理してまとめます。この時点で電装系は全て正常になりました。やはり原因はライトケース内の結線ミスということでしょう。頻繁にサーキット仕様への変更を行っていたので、どこかのタイミングで繋ぎ間違えたようですね。配線の脱着は慎重に。

 

続いて、断線しているリヤブレーキスイッチをお持ち込みのスイッチと交換します。

 

スイッチを交換したら、配線を加工して接続します。

 

エア抜きするのでリヤキャリパーを外しますが、内側のパッドとインナーローターが干渉してキズが付いています。

 

パッドを外します。

 

干渉する裏板を少し短く削ります。

 

パッドを組み付けます。サンスターのリヤトラッド250ミリローターとCP2696の組み合わせでは、内側のパッドの裏板とインナーローターがほとんどの場合干渉するので要注意。予め裏板を削っておきましょう。

 

転倒でブレーキペダルも曲がっています。

 

パイプを差し込んで曲げ直します。

 

キャリパーにダミーローターを挟んでエア抜きしますが、交換したブレーキスイッチからフルードが漏れてきます。

 

漏れ箇所は6角の金属部分とその上の黒いプラスチックの隙間からです。圧を掛けるとジュワッと出てきます。安価な製品なので、たまに不良品もありますね。

 

再度、在庫していた同タイプのスイッチと交換します。

 

2回目のエア抜きをします。今度は大丈夫。

 

ブレーキスイッチ交換終了です。

 

スロットルは少し渋いので給油しておきます。

 

フロントスプロケット周りも点検します。チェンジリンクのクランプボルトは、中間がくびれているので伸びてしまったようです。高強度ボルトでないので、ここは高強度ボルトが必須です。

 

スプロケカバーを外します。カバー内にも砂利が溜まっているので取り除きます。

 

チェンジペダルも曲がっているようで、ロッドに少し干渉しています。

 

こちらもパイプを差し込んで曲げ直します。

 

スプロケカバー内を洗浄し、カバーを復元します。ついでにクラッチレリーズの遊びも調整します。

 

その他の点検も終え、火曜日には継続車検の予定です。