加工されて左右非対称になっているハンドルストッパーをノーマル形状に再生します。

溶接で補修した痕もみられる既存のストッパーを削除します。

向かって左側に、溶接の点付けの痕が確認できます。

切断面を滑らかに仕上げます。

ストッパーになる鉄片を切り出します。形はノーマルと同じです。

ストッパーをフレームに磁石で仮止めします。

溶接する前に、ベアリングレースとなるハウジングの熱歪を防止するため、
水で湿らせたウエスをヘッドパイプに仕込んでおきます。


ストッパーを溶接します。
熱歪が発生しないよう、1点づつ冷ましながら時間をかけて溶接します。
白いモヤはウエスから発生した蒸気です。

溶接が済んだら、塗装するので周辺をペーパーで整えます。

裏側はこんな感じ。

塗装は刷毛塗りです。

新しいアウターレースを圧入します。


ロアステムのベアリングを交換します。

新しいベアリングを圧入したら、純正では付いていないダストシールの代わりにタンクキャップのパッキンを装着します。

ステムを取り付けます。

ダストシールはこんな感じになります。

続いて、オイル漏れしているフロントフォークをオーバーホールします。
スナップリングは腐食して折れています。

フォークを分解しました。欠品部品などは無いようです。

インナーチューブにはキズが多数付いていますが、オイルシールの摺動部分は無事のようです。

上の方にはこんな深い傷もあります。

オイルシールを通す時に引っかからないよう、オイルストーンで均しておきます。

インナーチューブの曲がりを点検します。
隙間が見えるので曲がっているようです。

精密に曲がりを測定すると、左右とも0.4ミリほど曲がっていますが、
今回はインナーチューブを継続使用することになりました。

曲がりの凸側にヤスリでマーキングしておきます。
組付けるときはこのマークを前か後ろの同じ方向に左右合わせて組み付けます。
そうすれば、曲がりの影響は最小限になるでしょう。

部品を洗浄して組み立てに入ります。

今回交換する部品はこちらです。

フォークを組み立てたら、オイルを入れレベルを調整します。
値はマニュアル通りです。

エアもマニュアル通りの標準値で入れて加圧します。

フォークが完成しました。

左右のエアバルブの向きを考慮しつつ、マークは後ろ向きとします。


左側はこんな感じ。

エアバルブの向きがちぐはぐですが仕方ありません。

ホイールを取り付けて、フロントサス周りの完成です。


