Z1R1 N.M様 車両分解点検

 

先日入庫したZ1Rですが分解点検に入ります。

 

ノーマルマフラーを外してオイルを抜きます。

 

マフラーは概ねきれいだと思っていましたが、集合部の付け根はクラックが入っていて修理した痕もありました。これ以上の溶接修理は難しいかも。

 

エンジンオイルを抜きます。オイルは意外なほどきれいです。

 

メーター周り。ほぼ原形をとどめていますが、マウントのスポンジは溶けているので簡単なレストアは必要です。

 

破損しているハンドルスイッチは交換するので外します。配線は一部ハンドルバーに内蔵式です。

 

ヘッドライトを外します。

 

レンズ内側と反射板はかなり曇っています。ウエスで拭いてキレイにならなければ交換が必要です。

 

こちらはリザーブライティングデバイス、使わないので取り外します。

 

こちらはウインカーオートキャンセラーのセンサー部品、使わないので外します。

 

特徴のあるZ1Rのフロントブレーキです。ケーブル式のレバーからの力で三又にあるマスターを作動させる2段階式です。これはフロントカウルのデザインを優先した結果、ハンドルにマスターを付けるスペースが無かったための策。非常にタッチが悪く効かないので不評なブレーキです。

  

ノーマルマスターも外し、フロント周りがすっきりしました。

 

フロント周りで大きな破損は左のライトステーです。欠けているので溶接修理が必要です。

 

フロントキャリパーも固着しているので、交換した方が良さそうです。

 

メインハーネスは比較的きれいで、異常なのはこの溶けたカプラーだけのよう。

 

メインハーネスは一旦外して点検し、継続使用の予定です。

 

レギュレーターも交換するので外します。

 

レクチファイヤーも使わないので外します。

 

イグニッションコイルも交換するので外します。

 

2個とも大きなクラックが入っていました。

 

CRキャブは暫定の物とのこと。使おうと思っていますがよくみるとかなり腐食しています。

 

CRキャブを取り外します。スロットルは一応3個は動きます。

 

洗浄液に漬けて汚れとサビをふやかしておきます。

 

スプロケカバーを外します。内部はかなり綺麗です。レリーズはPMC製に変わっていますね。

 

アウトプットシャフトのスプラインもかなり綺麗です。

 

ヘッドカバーを外します。エンジン内部もかなり綺麗です。

 

バルブタイミングを確認。問題ありません。カムチェーンは少し弛み気味です。

 

バルブクリアランスを計測、半数ほどは規定値より狭くなっています。

 

カムホルダーネジのトルクを確認します。全て問題ありません。

 

カムを外します。摺動部分は何れもきれいです。

 

カムチェーントンネル内です。ローラー類のゴムダンパーもほとんど摩耗が見られません。やはり走行距離が少ないか、よほど低負荷のみで走っていたようです。

 

ポイントも使わないので外します。

 

ガバナーは完全に固着して回りません。

 

クランキングもスムーズで、エンジンは消耗も少なくかなりグッドコンデションのよう。これ以上の分解点検は今の段階では特に必要無いほどです。

 

エンジン点検は一旦保留し、足回りへ。

 

リヤブレーキも引きずっていますが、ピストンが戻っていないようです。

 

リヤホイールを外します。

 

タイヤは前後とも2007年の物なので交換します。

 

一旦、リヤにダミーのホイールを付けておきます。

 

続いてフロント周りへ。

 

アクスルシャフトも新品のようにきれいです。

 

ローターなど全て外します。

  

ホイールは特に異常がないのでこの後塗装へ。因みにリヤホイールのビードストッパー穴は溶接で塞がれており、前後ともタイヤチューブはありませんでした。

 

シンナーで脱脂します。この黄色い塗装後はほとんど走っていないようで、表面に汚れはほとんどありません。

 

シリコン変性塗料で純正風に塗装します。

 

ブラック部分の塗装終了。このあとリムだけ塗装を剥がしてポリッシュします。