Z1R2 K.K様 エンジン腰下組み立て

  

Z1R-2型にZ1000-STのクランクケースを使うので、エンジン型式変更のための申請書類を作成しました。書類の名目は「改造自動車届出書」というものです。

 

作成した書類を持って最寄りの陸事に向かいます。

 

検査ラインの業務が終わった後の時間に検査員に提出します。一通りチェックしていただいて、書類の不備がないことを確認。中3日で合格通知が発行される予定です。こちらはその控え。

 

改造内容の「原動機」に〇がしてあります。

 

「標準車」が元のノーマル状態、エンジン型式が変わるので今度は「改造車」となります。後日、ナンバー管轄の陸事に今回の合格通知書と車両を持って行き、「構造変更検査」を受ければ晴れて公認車両となります。

 

ガレージに戻り、エンジン修理の続きです。

 

使用するSTのエンジンは、シャフト駆動からチェーン駆動に改造されてはいましたが、作業からはかなりの年月が経っている模様。ガスケットはカチカチに固着している状態です。きれいに剥がすにはこの面だけで1時間コースです。

 

ガスケットを剥がしたら、仕上げにオイルストーンで面出しします。

 

洗浄して組み立て準備完了です。ケース以外はすべて元のエンジンの部品を使う予定。

 

クランクを点検します。ズレはほとんどありません。

 

振れも規定値内です。各ベアリングもスムーズでガタはありません。

 

新品のカムチェーンをセットし、クランクを組み込みます。

 

ミッションはベアリングと痛んだギヤを交換します。

 

先ずはインプットシャフト側を分解点検します。

 

クラッチ版はサビが多いので交換することに。

 

プレート全部、新品交換します。

 

アッセンブリーします。

 

ケースにセットします。

 

続いて破損したアウトプットシャフト側を修理します。手前にあるSTエンジンから外したギヤをドナーにします。

 

上が元のミッションで、ギヤ2枚とワッシャーなどが破損しています。下はその交換用に選んだ部品です。

 

手前がドナーのギヤです。かなりきれいな状態ですね。

 

摩耗したブッシュや変形したワッシャも交換します。

 

シャフトは異なるので元のものを修正して使います。

 

ベアリングのインナーレースが少し回されたようで、線上にかじった痕があるので新しいベアリングが引っ掛かります。

 

オイルストーンで凸部を研磨して修正したのがこちら。

 

新品ベアリングを組み込み、修正完了です。

 

アッパーケースにあるシフト機構も組み替えます。

 

STのものはレバーなどが大きく異なります。

 

シフトドラムともどもZ1Rの部品に入れ替えます。

 

クランクケースを閉じて本日は終了です。