主にノーマル戻しの作業だけのはずが、ここまで分解するところまで発展しました。

交換用のクランクケースが届いたので点検します。

車検が楽なように、同じJEの型式のケースを選びました。

黒い部分は簡易的にあとから塗装されたもので、元はシャンパンゴールドのようです。

シリアル番号とその色から、KZ1000CSRのケースのようです。
形はZ1000Rと同一です。

ケースを詳細に点検します。
ネジ穴は全てチェックし、傷んでいるところや液体ガスケットが詰まっているところはタップをたてて修正します。


スプロケカバー取り付けネジ穴のひとつはヘリサートが入っていましたが、
かなり斜めに挿入されています。



修正のため既存のヘリサートを抜きます。


抜いたヘリサートは1/2Dの短いものでした。

こんどは垂直にネジ穴を形成します。

新しく挿入したヘリサートは母材を傷めないよう2Dと長い物を使います。


ネジ穴がほぼ垂直に修正できました。

スプロケカバーを取り付けて確認します。

洗浄後、新しいシリンダースタッドをセットします。


アッパーケースはこれで準備完了。

点検済のクランクをセットします。カムチェーンも新品です。

ミッションは、ベアリングとアウトプットシャフトを新品交換します。

交換する部品はこちらで全て純正新品です。

新品のアウトプットシャフトと比較すると、傷み具合がよくわかります。

インプットシャフト側を分解します。

クラッチのフリクションプレートは9枚まとめて計測し、摩耗量を判断します。

摩耗は極わずかなので継続使用します。

クラッチプレートも特に摩耗や焼けは無いので継続使用します。

ギヤのドグもきれいです。

ベアリングを交換し、ギヤを組み立てます。

アウトプットシャフトを分解します。こちらもギヤのドグは綺麗です。

アウトプットシャフトもベアリングを交換し組み立てます。
右側が交換して外した部品です。

ミッションギヤをケースに組み込みます。

シフトドラムは摩耗しているので新品交換します。

右が新品で、左の取り出した方は山の頂上の両肩が摩耗しているのがわかります。
このままだとギヤ抜けが頻発していたでしょう。

シフトフォークも組んだら、ギヤチェンジが正常か点検します。


オイルポンプを組み付けます。

オイルパンまで取り付けて腰下がほぼ完成です。


