今回はエンジンオーバーホールとフレーム塗装が主な作業内容です。エンジン内部の仕様は車両入手時から不明とのことです。
外装、キャブと外します。
ヘッドカバーを外し、バルブクリアランスを計測します。カムはノーマルですね。
カムホルダーのトルクをチェックします。エキゾースト側はほぼ全滅です。
×印はトルク抜け箇所。それ以外も緩んでいてトルクの立ち上がりが鈍い感じです。全ヵ所ヘリサート加工が必要でしょう。
ヘッドを外します。なにやら尖ったピストンが見えてきました。
明らかにハイコンプピストンです。ボアも拡大されているもよう。
燃焼室はこんな感じ。面研は少ししてあるみたいですが、その他には大きな加工は無いようです。
シリンダーを外します。
スリーブは純正を加工したようです。目視では結構スカッフがあるように見えますが、爪でさわって特に引っかかるほど深くはありません。
ピストンはワイセコのようです。
固いのでプーラーでピストンピンを外します。
外したピストンはこちら。カーボン堆積は多めですが、比較的きれいな状態です。リングは摩耗してベタ当たりしています。
ボアはやはり大きめで、φ74ミリ、1135ccでした。1000J系のワイセコには、φ74ミリだけこの超ハイコンプ仕様のピストンがあったりします。事前の試乗でノッキングが酷かったのはこれのせいですね。
ジャッキで支えてエンジンマウントを外します。
エンジンを下ろします。
事前の予定ではピストンはノーマルで、ボアアップしてφ74ミリにする計画でした。少々計画を練り直さなければいけませんね。
車体はこのあと全バラしてフレームを塗装します。