エンジン組み立ての続きです。エンジンは腰下まで組み上げた段階で車載しました。コンパクトで軽いうちに車載できるのと、エンジンが固定されて後の作業が安定してできるなどの利点があります。
使用するピストンはこちら。PAMSプロデュースの超軽量ピスタル製φ74ミリピストンです。
裏側の造形はそそりますね。
ピストンを組み込みます。
シリンダーはこちら。当初はノーマルスリーブをボーリングしてφ72ミリにする予定でしたが、作業途中でスリーブの緩みを発見し、オーバーサイズスリーブが必要となったため、スリーブを交換してφ74ミリへボアアップすることとなりました。このスリーブはPAMS製の鋳鉄です。外側の銅メッキが特徴的。
スリーブ外径はベースガスケットより大きいので、半径で1ミリほど拡大します。初めにガスケットを台紙に固定し、サークルカッターでケガキます。
ケガキ線にそってハサミで切り取ります。
拡大後はこちら。
ガスケットをシリンダーにはめて確認します。
続いてヘッドを準備します。一通りの加工と塗装が終わった状態です。カムホルダーネジのヘリサート加工や面研などしてあります。
バルブを組み付けます。バルブは元の物を継続使用します。
カムはヨシムラST-L1に変更します。
カムをヘッドに載せ、干渉が無いか確認します。通常、ST-1なら干渉はほぼありません。
狭い所のクリアランスはこのくらいです。
ヘッドカバー裏の十字の突起も干渉しないか確認しておきます。
ガスケット無しでヘッドカバーが密着すればOKです。
シリンダーを挿入します。
ヘッドガスケットやカムチェーンローラーなどをセットします。今回、ヘッドとシリンダーの面研が多いので、ヘッドガスケットは少し厚めの1.3ミリ厚としています。
ヘッドを組み付けます。
カムを基本のバルブタイミングで一旦取り付けたあと、精密にバルブタイミングを調整します。先ずはピストンの上死点を正確に割り出します。
その後エキゾーストとインテークカムをそれぞれ既定のタイミングに調整します。許容誤差は±1°程度としています。