先日、レース前の最後の練習走行が終わったので、レース本番に向けてタイヤを新品に交換します。
現在のタイヤは昨年の10月から使用している物です。街乗りは少しで主にサーキット走行で消耗しました。基本的にレース前に交換し、レースを新品タイヤで走れるようスケジュールしています。
フロントはこんな感じ。同じだけ走ってもフロントの方が摩耗は少ないです。
リヤホイールを外します。
ローターに貼ってあるのは温度履歴がわかるサーモラベルです。このラベルはスケールが100~140℃のもので、変色しているところまで温度が上がったことを示すので、インナーローターは140℃以上になったことがわかります。リヤローターは走行風が当たり難く、且つ小径のため高温になりがちです。この高温はホイールのハブにも伝わり、ハブベアリングも過酷な環境となるので注意が必要です。サーキットではフロントブレーキを多用するため、フルブレーキング時にはリヤは荷重が抜けてしまうのでリヤブレーキはほとんど使えません。どちらかというと峠道の下りなどの方がリヤブレーキには厳しいです。ハブが高温になることでベアリング周りが膨張し、熱膨張率の違いから高温時にベアリングの圧入が緩くなって右側のベアリングのアウターレース部にガタが生じることもあります。
リジットローターなのでアウターロータの取り付けボルトは緩みやすいです。定期的にトルクチェックします。
ハブダンパーも点検します。少しへたりが出て内輪が緩くなっていますが、もうしばらく継続使用します。ベアリングは全て正常です。
タイヤを交換します。
交換したらバランス取りします。
続いてS1スイングアームのエキセントリックを仕様変更します。最近のお客様の車両はS1実車と同じように右側のエキセンにネジが切ってあってナットレスにしています。デモ車は貫通アクスル+ナット仕様だったので、この機会にS1仕様にします。
S1スイングアームの幅に合う中空アクスルシャフトは、スズキGSXR1000の純正品を使います。現状は廃盤となってしまっているようです。
スイングアームと比べると長さはこんな感じ。ネジ部分が右のエキセンの半分くらいにかかります。この絶妙な長さのシャフトは、今のところこれしかないようです。
各メーカーの純正中空アクスルシャフトは総じて品質が良く、精度・軽量・強度の点で優れています。
なかなか社外品で薄いこの肉厚の物は作るのが大変です。
在庫のS1エキセントリックは長めに作ってあるので、スイングアームのエキセンハウジングの厚みに合わせて現車合わせで削って調整して使います。
スイングアームのエキセンハウジングの幅より0.5ミリ厚くしておきます。
表側はこんな感じ。
アクスルシャフトは少し長いので、5ミリほど切り詰めます。
取り付けるとこんな感じ。
神戸のカワサキワールドのS1はこんな感じ。
続いてフロントタイヤを交換します。
あとはワイヤリングなどを行ってマシンは準備完了となります。
今週末の土曜日がTOT MONSTER決勝です。天気予報では前回に続きまた雨マークとなっていますが、気合で雨雲を蹴散らしたいものです。TOTをお楽しみに。