Z1000S1純正のダイマグホイールがあるのですが、入手時よりインナーローターが作り変えられています。なのでよりS1らしくするために弊社のS1レプリカインナーローターに変更します。
アウターローターを外します。ほとんど走行していない新品に近いこちらのアウターローターは、特徴からS1純正と思われます。
取付ボルトはS1純正ではないですが、形状はS1同様に座面がテーパーになっていますね。ネジ山に問題があるのか、全ボルト非常にフリクションが多く、回して抜き取るのに苦労しました。
既存のインナーローターを外します。ベアリングハウジング部は別体のようです。
ベアリングハウジングを外します。中にあったディスタンスカラーはS1純正ではありませんが、両端がベアリングにはまる構造はS1と同じです。
S1同形状のアクスルナットはステンレス製なのでS1純正ではないようです。φ15ミリのアクスルシャフトはJ系純正と思われます。S1も同じくJ系純正を使用しています。
ダイマグのハブ部分です。ベアリングを持たずに大きな空洞となっており、当時のレーシングタイプによく使われていた形状です。俗に「ラージハブ」と言ったりします。ネジ穴はM8で、4穴と6穴の兼用となっていますね。この6穴部分のネジ穴は、M8のようですが非常にタイトです。一回ヘリサートを外してやり直した方がいいかもしれません。
弊社のS1レプリカインナーローターを作るには、ホイールごとに精密な計測が必要です。このラージハブの場合は、内径と幅が重要な要素です。
ラージハブ用インナーローターの図面と鋳物製素材です。この鋳物製素材は型から鋳造まで弊社オリジナルです。S1純正はマグネシウム製と思われますが、弊社の物は高強度アルミ鋳物材としてポピュラーなAC4C材を使用しています。キャリパーやミッションケースなどにも使われる材料で、アルミですが熱処理して強度を上げて使います。
過去にラージハブ用に加工したサンプルがこちら。今回も基本的にこれと同じ形状で作ります。
各ホイールに合わせるとこんな感じ。右が今回お持ち込みのダイマグです。
裏側はこんな感じ。S1同形状の鋳物製のこの感じがポイントです。
弊社製S1ローター用の標準アクスルシャフトはこちら。こちらはS1とは少し違い、ストリートホイールベースでも対応できるようにアレンジしています。ホイールベアリングがナットの方にはまる構造が特徴です。
組み立てるとこんな感じ。ベアリングサイズが大きく、ベアリングのスパンも最大限に広いので、フロントアクスル周りの剛性が上がります。
シャフトは外径φ18ミリで中空仕様です。