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Z1R2 T.T様 チェーン交換 スプロケボルト修正 チェーンの適正な張りの求め方 リヤショックアッパーマウントのガタ修正 クラッチレリーズの遊び調整

  

今回のメンテも終盤です、残りのメニューをどんどん進めます。

  

チェーンと前後スプロケットを交換するのでリヤホイールを外します。

 

スプロケナットは薄型ナットが使用されていますが、締め付けトルクが低いのでリヤスプロケの締結には使ってはいけません。標準ナットを使うにはボルトも短いので合わせて修正します。

 

ベアリングとハブダンパーは異状無いようです。

 

スプロケットを外します。

 

今回使用するスプロケはブラックのこちら。ギヤ比も純正に近い17×38Tに変更します。

  

スプロケボルトは汎用のステンレスキャップボルトを加工して使います。ハブダンパー内径より少し大きいので、ボルトの頭の外径を少し落とします。

 

旋盤で0.1ミリほど削ります。

 

標準のセルフロックナットに変えてスプロケを取り付けます。

  

チェーンのコマ数を決めるので、一旦前寄りで左右のチェーン引きの位置を合わせます。

 

左右を合わせるとやはり右側のタイヤとスイングアームが干渉しますね。これを回避するために右のチェーン引きを少し前にしてタイヤを左に向けてありました。

 

左は少し隙間があります。ホイールセンターが右にズレているのでしょうか。

 

ホイールを外して定盤の上に乗せ、ホイールセンターを精密に計測します。結果は右に0.5ミリズレていましたが、ほぼ許容範囲です。

  

こちらも気になりました。右側のカラーとベアリングのオイルシールが接触しているようです。カラーがオイルシールの部分まで平面ですね。

  

カラーを加工します。オイルシールの部分は少し低くして逃げを作っておきます。

 

チェーンはこちらを使用します。

 

110リンクなので通常は2コマカットして108リンクにするところですが、タイヤとスイングアームが干渉するのでできるだけ後ろに寄せようと思います。

  

100リンクでチェーン引きを合わせると、タイヤとスイングアームのクリアランスは僅かではありますが確保できました。

 

通常より少し長い100リンクでチェーンをカシメます。

  

フロントスプロケのナットを規定値より少し高い13kg・mで締め付けます。

  

締め付け後、ロックワッシャーを確実に折り曲げます。スプラインの摩耗でガタの有る場合でも、このくらいで締めておけば通常は大丈夫です。

 

リヤショックのアッパーマウントのガタも分解点検します。ボルトを外した状態でスイングアームを上下すると、フレーム側のマウントピンとリヤショックのピロボールカラーとの間にガタがあるので動くことがわかります。

 

よく見るとピロボールカラーの幅よりフレーム側のマウントピンの方が出っ張っていますね。これではピロボールを固定できないのでガタが発生します。原因はここでした。本来、マウントピンはリヤショックアッパーマウントの幅より狭く作る必要があります。

 

反対側も同様にマウントピンの方が出っ張っていました。

 

リヤショックを外した状態でリヤホイールを持ち上げ、前後スプロケ軸とスイングアームピボットの3点が1直線に並ぶようにします。この状態が最もリヤアクスルが遠くなりチェーンが張る状態です。走行中でも大きなギャップを超える時などこの辺りまでリヤショックはストロークするのでこの状態になりえます。

 

この時チェーンに無理な張力が掛からないよう張りを調整します。この場合上下のたわみは10ミリくらいです。これが最もチェーンを張った状態で、これ以上張ると今回のようにアウトプットシャフトのベアリングが破損して大事になるので要注意。

 

リヤショックの全長とストロークを測ります。フルボトムすると上の写真より更にリヤホイールは上に上がることになりますね。

 

リヤショックマウントの修正用に、内径14ミリピッタリに作ったスペーサーを用意します。内径の片側は大きく面取りし、ピンの根元の隅アールに乗り上げないよう逃げとします。

 

スペーサーをセットします。

 

リヤショックをセットします。リヤショック側が僅かに出ていることがわかります。こうしないとピロボールは固定できません。ゴムブッシュの場合でも内側のカラーを固定しゴムのたわみでスイングするようにするのが正しい取り付け方です。

 

ボルト1本止めで回転する部分なので、ボルトには緩み止めと脱落防止でロックタイトを塗布しておきます。

  

これでリヤショックのガタ修正と正しいチェーン張り調整ができました。この車両はリヤの車高が高く、スイングアームの垂れ角が大きいので、ジャッキアップした状態だとチェーンは大きく弛みます。しかし先ほど最大に張る状態を想定して張りを合わせたので、これ以上は決してチェーンを張ってはいけません。

   

ジャッキアップ時のチェーンの弛みはこんな感じ。これでもこれ以上張ってはいけません。

https://www.greengarage.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/IMG_3165.mov

  

チェーンを後ろから見るとこんなに弛みますが、ガイドローラーがあるのでフレームに接触することは有りません。通常時の弛みを減らすため、ガイドローラーは一番高い位置に変更します。ガイドローラーはエンブレ時に下側のチェーンが張るとローラーに強く押しつけられるので、ローラー高さを高くするとローラーの持ちが悪くなりますが、スイングアーム垂れ角の大きい場合は高くするのはやむおえませんね。

 

今後、チェーンの張りを調整する場合の目安として、上側のチェーンを持ち上げて、スイングアームとのクリアランスは60ミリ以上確保してください。今回はエンジン脱着とチェーンスプロケ交換しているので、初期伸びが結構あります。100kmくらい走行したらもっと弛むので、その時はこの数値に合わせてチェーンを張ってください。

   

キャブ後方隔壁と90°ブローバイホースも取り付けます。

 

スプロケカバーを取り付けます。

 

クラッチレリーズの遊びはゼロでした。クラッチ滑りはこれが原因でしょう。レリーズの遊びはクラッチ板の摩耗に従い徐々に少なくなってくるので定期的に規定値に調整しましょう。

  

リヤ周りはこれで完成。続いてフロント周りへ。

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