ヨシムラST-L1カム取り付けのご依頼です。今回ご依頼から10ヵ月での入庫となりました。
取り回しでステアリングの動きが重かったので、フロントをジャッキアップして点検します。センター付近でクリック感があるので、ベアリングレースに圧痕があると思われます。
ステムベアリングのプリロードが強く、半分くらい切ってもステアリングが自重で切れません。おそらくセルフステアの効きが悪いと思われます。ステムベアリングは交換した方が良さそうです。
足回りにガタがある場合、ジャッキアップで持ち上がる瞬間によくわかります。この車両もリヤ周りにわずかにガタを感じます。
リヤをジャッキアップした状態で膝を使ってスイングアームを上下するとガタがあるのが解ります。リヤショックはナイトロンなのでマウントはボールジョイントなので、ガタがあったら交換した方がいいでしょう。後ほどショック単体にして点検してみます。
オイルキャッチタンクが付いていますが、今回取り外すことに。ストリートでは特に必要性はないので、シンプルな構成にした方がいいでしょう。
ブリーザーホースを外します。
キャッチタンクを外します。外した後はキャブ後方隔壁を取り付ける予定です。
ブローバイガスには大量の水蒸気も含まれるので、キャッチタンク内で冷やされると水に戻ってタンクに溜まっていきます。こちらも50cc位の水が出てきました。茶色い塊はオイルです。
キャッチタンクは溜まったオイルと水を車載で抜けるよう、ドレンが付いていることが多いですが、このタンクの場合はドレンが上向きに付いていたのでドレンできない状態でした。本来はこの向きに付けることを想定したタンクでした。
ガソリンキャップ部からのガソリンドレンホースも付いています。これもかなり太い物が使われているので、必要最小限の細い物に交換します。
ガソリンドレンホースの出口はマフラーの上に有りました。これでは直ぐに引火して危険なので、ドレンの出口はマフラーから離れたところに落としましょう。
ドレンホースを外します。
車両は北米仕様なのでヘッドカバーには2次空気導入装置が付いていますが、それをホースで左右繋いで塞いでいます。これも社外のブラインドカバーに交換してホースを無くします。
ヘッドカバーのボルト、この部分はかかりが極端に浅いです。ネジの口元は舐めているようです。あとで修理します。
ヘッドカバーを外します。
現状のバルブクリアランスを測定します。狭い所もありましたが、概ねOKでした。
カムホルダーの締め付けトルクも確認します。こちらはほぼ大丈夫です。
FCRキャブとノーマルのカムチェーンテンショナーが干渉していたとのことで、キャップがはめられていましたがかなり本体も削れています。
テンショナーを外します。こちらはコンパクトな物に交換します。
ノーマルのトップアイドラーを外します。ローラーのダンパーラバーにはガタは無いようです。
ノーマルカムを外します。カムメタル、シムなども比較的きれいです。
タコギヤ部分からはオイル漏れがあるとのこと。
ケーブルを外すとオレンジのガスケットは無く、ハウジングはOリング2本仕様の社外品です。
Oリング2本仕様のOリングは純正より細いのでヘタリが早く、オイル漏れまでの期間に優位性は無いように思います。補修用のOリングは供給されていないので、耐油性の汎用品Oリングで合うものを交換用に使います。
カムチェーントンネル内はこんな感じ。カムチェーンは社外品、ガイドローラー関係は純正品のようです。ガイドローラーのラバーは摩耗も少なく良好です。