4月3日、筑波サーキットのスポーツ走行にやってきました。5月9日のTOTを控え、今日を入れてあと2回の練習走行を予定しています。今日は前回のクラッチハブナット脱落のトラブルを修理してからの初走行です。
今回からプラグを標準のBR8ESからイリジウムのBR8EIXに変更します。別件で入手したプラグでしたが、試しに付けて走ってみようということで、別段メリットを期待してるわけではいません。
こちらが外した標準のBR8ESプラグです。直近はサーキットしか走行していないので、きれいなキツネ色に焼けています。
かわりにイリジウムプラグを取り付けます。
1本目の走行が始まりました。走行ではプラグ変更の変化は特に感じられず。しいて言えば始動性がさらに良くなった感じ位です。
走行を続けて14周目にトラブル発生。バックストレートエンド、4速にシフトアップしてスロットル全開で更に加速、200km/hに達したところで突如エンジンからガラガラと大きな異音が発生し、パワーも一瞬落ちたところでスロットルオフ、最終コーナー進入に差し掛かったのでインベタで徐々にスピードを落としてそのままピットロード先まで走ってコースオフしました。
走行時間が終わるまでガードレールの外側で待機、走行が終了して押してピットに戻ります。
この状態でもエンジンは掛かり安定してアイドリングしますがガラガラと大きな異音がします。先ずはプラグを外して点検します。
外したプラグは4気筒共きれいな状態です。ピストンの軽い焼き付きやバルブになどに損傷があった場合は、何かしらの金属粉などが電極に付着している物ですが、腰上は特に問題無いようです。
プラグを抜いた状態でレンチでクランキングしてみます。回転は非常に大きなフリクションがあり、明らかに異常な感じです。クランクかミッションが破損したのかもしれません。
ガレージに戻り早速点検します。TOTまであまり間が無いので、最悪はスペアエンジンへの変更も想定し、とりあえず原因を特定しようと思います。先ずはプラグホールから内視鏡を差し込みシリンダー内を目視点検しますが、4気筒共きれいな状態です。
セルでクランキングは普通にできるので、コンプレッションを計測してみます。こちらも4気筒共15kg/cm2位あるので正常です。
クラッチ板を外してミッション系とクランクを分離してみますが、ミッション側はスムーズに回せるので問題無いようです。ですが、クランクの方は回転がかなり重く、1周の内部分的に特に重い感じです。
エンジンオイルを抜いてみます。
抜いたオイルには大量の金属片が混じっています。
金色の破片も混じっているので青銅系の部品が主な物かと思いきや、マグネットを近づけると全て吸い付くので鉄系部品の破片ですね。金色は銅メッキの部分でしょうか。
破片を拡大したのがこちら。粒々ではなく全て薄いうろこ状に見えます。このような薄い膜のような破片の場合は、通常のエンジンですとクランクやコンロッドメタルの焼き付き・抱き付によって出てくることが多いです。J系エンジンはローラーベアリングなのでそこはちょっと違いますね。
クランクに問題があると判断し、エンジンを下ろして点検します。
先にクランクにアクセスしたいので、エンジンを下から分解します。オイルパンを剥がすと先ほどと同じような金属粉が多数出てきました。
ミッションギヤは目視でも特に異常は見られません。手回しでもガタ無くスムーズに回ります。
クランクケースを分離します。3番コンロッド大端部が黒く焼けた色に変色していますね。
3番の大端部を触ると大きなガタが出ています。ベアリングが破損し、ローラーとクランクピン、アウターレースの転動面が疲労剥離したのでしょう。エンジン異音は暫く前から気にはなっていましたが、振動も特に無く普通に走れていたので様子を見ていたところでした。最後のストレートエンドで一瞬焼き付き温度が上がったテンパーカラーがコンロッドに現れ、直ぐにスロットルを戻したのと構造がローラーベアリングだったでロックは免れたと思われます。普通のプレーンメタルベアリングのエンジンの場合、コンロッドが焼き付くと折れてクランクケースを突き破り、エンジン全損するものです。
このあと全分解して点検しますが、今のところクランク交換だけで修理できそうです。
エンジンブローの瞬間が車載カメラに残っていました。バックストレートエンドでガラガラ音が急に大きくなり異変に気付きます。直ぐ近くに別のライダーがいたので、手を挙げて異常を知らせつつコースオフしました。