フレーム分解点検の続きです。ステムを外します。ステムベアリングはグリスも入っており、特に傷んではいませんでした。でもフレーム塗装するときにアウターレースは外すので、ステムベアリングは新品交換します。
ステムシャフトには回転して付いた傷があります。
結構強く擦れたようです。
キズと同じ位置にイモネジが付いているので、これがねじ込まれて付いたキズでしょうか。上下のイモネジは後加工ですが、目的は不明です。ハンドルストッパーはきれいですね。
J系フレームのウィークポイントを点検します。ダウンチューブ上部のガセットは、中間あたりの形状変化があるところによくクラックが入るのですが、このフレームは左右ともに大丈夫です。
サイドスタンドブラケットも補修の痕など無くきれいです。
エンジンマウントやピボット周りのボックス部分、ここもクラックが見つかったことがありますが、こちらも大丈夫。左右連結パイプのチェーンによる削れもほとんどありません。
裏返して下側も点検します。目立つ曲がりや凹み、キズは無いようです。
ただ、錆びは酷かったようで、今は表面だけ塗装で化粧されていますが、パイプ内部はサビがザラザラ転がる音がするのと、ステップブラケットの隙間を覗くと深いサビがあります。
シートレール後端は少し右が下がっているようです。
シートレール付け根辺りまではほぼ真っ直ぐです。
後半だけがねじれているようです。
シートの下あたりには後加工のボルトが4本付いています。
ピボットシャフトは抜く時に結構渋かったので叩いて抜いたほど。シャフトを通して確認します。
シャフトは左右を貫通せず、右から通すと結構前の方に行ってしまいます。手の力では穴に通すのが困難なほど。右のピボット周りが曲がっているようです。フレームは修正するか、交換も想定することに。
フロントアクスルシャフトも、手で回すのが困難なほど回転が渋いです。
強大なトルクで締まっているので、片側をバイスで挟んで緩めます。トルク15kg・m以上で締まっていた感じです。
少し緩めるとシャフトの回転は軽くなりました。おそらく過大なトルクでディスタンスカラーが座屈していると思われます。分解して点検します。
アクスルシャフトやカラー類は1000Jノーマルです。右のカラーは逆さまに組まれていました。
ベアリングは少しゴリ感がありますが、特に回転が渋いわけではありません。
ベアリングを抜いてディスタンスカラーを点検します。少しは座屈していますが、これが原因でしょうか。
ベアリングを接触シール付きに交換します。元のベアリングは非接触シールなので防水機能はありません。シールが付かないダイマグは、こちらの接触シール付きベアリングが必須です。
スナップリングがある左のベアリングを奥までしっかり圧入後、右側からディスタンスカラーをいれて、ベアリングがストップする段と高さを比べます。ディスタンスカラーの方が出っ張るべきですが、高さはほぼ同じ。
試しにベアリングを入れてみます。アウターレースとインナーレースを同時に押し、底付きするまで圧入します。
アクスルシャフトを組んで規定トルクで締め付けます。今度は軽く回るようになりました。
さて、問題はリヤ周り。どうやって分解したものか考え中。大型のプレスで押す案が有力ですが、タイヤ付きだとプレスにセットできません。最低限、タイヤは取らないといけないのですが。タイヤはサンダーで切るしかないか・・・。