交換用ヘッドをレストアします。カムホルダーネジはJ系エンジンのウィークポイント。このヘッドも数ヵ所既に修理されており、現状でも更に数ヵ所トルク抜けしているので、全ヵ所ヘリサート入れます。先ずはネジ穴をφ6ミリに広げます。
今回は長めのボルト、右側のキャップボルトを使用します。
ボルトを底までねじ込むとこんな感じ、ネジ穴を深くしない状態での最大長さのボルトとなります。
どこまで入るかというとこんな感じ。
ヘリサートはネジ穴全域にかかるように直径の2.5倍、2.5Dの長いヘリサートを使います。
ヘリサートタップでネジ切りします。
ヘリサートを挿入後、必ずトングを折り取ります。
トングは挿入時にハンドルを引っ掛けるところ。挿入後、ボルトがヘリサートを貫通するときにぶつかるので必ず折ります。折り取り棒を入れてハンマーで打つと、刻みのところで折れてくれます。
16ヶ所、全部ヘリサートが入りました。
プラグのネジもタップでさらっておきます。このヘッド、プラグホールは修理痕がないのもポイントです。
ヘッド、シリンダー、クランクケースと、交換用の重要パーツが揃いました。エンジンの外観は全て交換となります。この後は、ヘッドとシリンダーの内燃機加工、エンジン全体のセラコート塗装と工程は続きます。