今回使う部品の中で、PAMS製の物が一通り入荷しました。電装関係とピストンなどです。
ピストンは超軽量で高圧縮のピスタルφ71ミリをチョイス。排気量は1045ccになります。
裏側はこんな感じに肉抜きだらけ。現状はZ系ピストンの中で突出して最軽量のピストンでしょう。十分な耐久性も過去の事例から実証済みです。
塗装予定のエンジンは、現状腐食したところを簡易的に上から塗っただけの状態です。下側の気が付かなかったところは、腐食がかなり進行しています。
塗装の前には外せる部品を全て外します。シフト関係やオイルリリーフバルブなどなど。
外せる部品を全て外したら、そのまま組める程度まで合わせ面を奇麗に整えます。
エンジンは全分解歴があるようで、ケースの合わせ面には結構キズがあります。内側にはみ出した初期の液体ガスケットも十分剥がさないまま組まれていたようです。
ガスケットは内外共に奇麗に剥がします。
後ろのエッジには大きな打痕があります。
オイルストーンをかける時に邪魔になるので、ヤスリで削り落とします。
バリのあるところは軽く面取りもしておきます。
ガスケット剥がしの仕上げは、オイルストーンで面仕上げ。ガスケットの残りカスを落とし、キズや面加工の痕を均します。
続いてアッパーケースへ。
上面にもキズが多数あります。
こちらもガスケットを剥がしたら、オイルストーンで面を均します。
ガスケット剥がしに使用する主なスクレッパーはこちら。
こちらはノコ刃を削って作った手製のツールです。左から、角溝用、丸溝用、バリ取り用、細かい所の剥がし用です。右端のスクレッパーは、紙が切れるほど刃を研いであります。
スクレッパーの中で一番欠かせないのがこちら。KTC製のセラミックスクレッパーです。
スクレッパーとしては5000円前後と非常に高価ですが、数十年も経って固着したガスケット剥がしには無くてはならない物です。カチカチに固着したガスケットの剥がし方は、過去の動画をご覧ください。
それから、フロントローターはワークスレーサーのレプリカをワンオフ製作するので、既存のハイポイントモーリスを外して計測します。インナーローターのはめ合い部分はホイールにより若干の個体差があり、精度良くはめ込むために必要な工程です。
既存のノーマルローターを外します。
当時のワークMk2はこちら。インナーローターはフラットで、S1ローターの原形とも言えるデザインです。外径はおそらくφ300程度と思われます。
ホイールのローター勘合部の外径を1/100ミリ単位で計測します。これを元にインナーローターの寸法を決めて製作します。