エンジン組み立ての続きです。今回の1200cc仕様、ピストンはPAMS監修のピスタルレーシング製φ76ミリを使用します。高圧縮で超軽量タイプのピストンです。
ピストンリングをセットします。
シリンダーはこちら。井上ボーリングのICBMを施工。アルミスリーブ内面にニッケルシリコンカーバイド系のメッキを施したもの。耐摩耗性が非常に良く、私の1000Jレーサーでも使用していますが、1シーズン、筑波サーキット200周約400km走行後の摩耗量計測結果でも、摩耗量ほぼゼロ、ピストンリングへのなじみも良く、リングの摩耗も極僅か。アルミスリーブは軽量で、熱膨張率もピストンと同様なのでクリアランスの変化が少なく、ショートスカートピストンながら冷間時にもピストンラップ音はほとんど発生しません。ピスタルピストンとICBMの組み合わせは、今のところこれ一択です。
内径φ76ミリのアルミスリーブの外径は約φ82ミリです。肉厚は約3ミリと、鋳鉄スリーブに比べて厚くなります。
純正ベースガスケットの内径は約φ80ミリ。このままでは干渉するので内径を拡大します。
ガスケットを台紙に貼付け、サークルカッターでφ85ミリの円をケガキます。
ガスケットは芯が固いですが力を入れると変形しやすいので、このまま切り抜くのは困難です。
ケガキ線に沿ってハサミで切り抜きます。
ボア拡大終了です。
加工したガスケットをシリンダーにはめるとこんな感じです。
さて、腰上を組み立てます。
ピストンをセットします。
カムチェーンガイド、ベースガスケット、ピストン治具などをセットします。
シリンダーを挿入します。
ヘッドガスケット、センターOリング、スタッドOリング、ダウエルピンをセットします。
ヘッドを組み付けます。
カムはヨシムラステージ1を使用します。
カムスプロケはAPE製のアジャスタブルタイプを使用します。
カムチェーンのコマでバルタイを合わせてカムを組み付けます。バルタイの微調整はのちほど。
ジェネレーターローターとワンウェイクラッチの締め付けトルクを確認します。
クランクエンドにワッシャーとニードルベアリングをセットします。ワッシャーには向きがあるので要注意。
ローターをセットします。ボルトには緩み防止のためロックタイトを塗布します。
締め付けは規定トルクでしっかりと。
ジェネレーターカバーを取り付けます。
エンジン完成まであともう少し。