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Z1000Mk2 I.M様 ヘッドの分解点検

 

洗浄したシリンダーを点検します。

  

カムチェーンローラーを固定する突起は、やはり過去のトラブルの修復痕があり、溶接で盛って補修されています。ここも10年来問題無いようなので、シリンダーも継続使用します。

 

ヘッドを分解します。リフターを外して裏側を見ると、ステムエンドに当たる部分の摩耗が進んでいます。

 

摩耗は8個全てで進行しています。

 

中央の突起部分、平面ではなくなりバルブステムによって摩耗しています。バルブ周りの部品は全交換する予定でしたので特に問題無いでしょう。

 

バルブスプリングを外します。

 

バルブを外します。ステムエンドはカットも無く、未加工のようです。シートカットもされていないといいのですが。燃焼室のカーボンはかなり堆積していますが、バルブの傘裏側のカーボンは少ないですね。

 

リムーバーを使って燃焼室とポートのカーボンを落とします。

 

カーボン落とし終了です。詳細に点検します。

 

内側にはカムチェーンが干渉した跡がありますが、まだ軽傷なので問題無いでしょう。

 

新品バルブを仮組し、ガイドのガタなどを計測します。

 

ノーマルガイドのようですが、ガタは概ね0.15~0.20ミリほどあります。ですが、1番だけは0.3ミリほどに広がっているので、ガイドは交換することに。

 

新品バルブでのステムハイトは、8ヶ所とも約37.6ミリ前後です。シートカットは1度も行われていないようなので、想定していたシートリング交換は必要無くなりました。プラグホールとシートリング間のクラックも数か所見られるので、シートリングを交換しないで済むことにこしたことはありません。

 

カムは新品のWEBカムを投入する予定でしたが、メーカー在庫が無く生産の目途も付かないそうで入手できません。代わりに手持ちのヨシムラカムを使用することに。

 

中古品ですが程度のいい中空軽量のST-L1タイプです。カムを回してカム山がヘッドに干渉しないことを確認しておきます。

 

そのままヘッドカバーを載せ、カムがヘッドカバー裏側に干渉しないことも確認しておきます。

 

続いてシフトドラムの点検です。

 

カム溝の山は、1か所摩耗が進んで丸くなっています。

 

過去にギヤ抜けした車両から外したドラムと比較します。

 

こちらは完全に丸くなっています。

 

次にPMC製の新品ドラムと比較します。

 

同じ部分を見てみましょう。

 

新品状態ははっきりと山の頂点に平面があります。この平面でシフトフォークを保持するので、角が丸くなるとギヤ抜けしやすくなります。念のためドラムも新品交換することに。

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