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デモ車#21 ブローしたエンジンの分解点検

  

レースの2週間ほど前の10月21日に、筑波サーキットスポーツ走行中にブローしたエンジンです。レースはスペアのエンジンに載せ替えて出場したので問題ありませんでしたが、こちらが本命のエンジンとしたいので、次のTOTに向けて修理します。

 

ヘッドを外します。ブローの原因は内視鏡による点検で3番ピストンの棚落ちということはわかっていました。

 

燃焼室はこんな感じ。

 

折れたピストンの破片が暴れまわったのか、無数のキズが付いています。インテークバルブ外周の一部は潰れています。それでもキズはそんなに深くはないので、ヘッドはなんとか再使用できそうです。

 

ピストンはこんな感じ。左は正常な4番、右は棚落ちした3番です。

 

インテークリセスのトップランドの一部が欠落し、トップリングが見えています。

 

シリンダーを外します。

 

幸い、シリンダーも大きなダメージは無さそうです。

 

3番ピストンはこちら。セカンドとオイルリングは特に問題無いようです。

 

ピストンピンを抜いてピストンを外します。

 

外したピストン4つがこちら。ピストントップはS1と同形状で、ボアはφ73ミリのMTC特注品。マニアの方から譲っていただいた昔のデッドストックでした。

 

3番ピストンはこちら。

 

トップランドが棚落ちし、トップリングも折れて重なってしまっています。当時、筑波の裏ストレートエンドから最終コーナーに侵入する際、突然振動とパワーダウンを感じ、直ぐにスローダウンして1コーナー出口で止めました。

  

壊れた瞬間はスロットル全開の8000rpm位だと思いますが、ちょうどスロットルを戻すところだったのでこの程度で済んだと思われます。特にピストンやヘッドのスキッシュにノッキングの痕は見られません。

 

深いリセスとトップリング溝の近づくところは極端に肉が薄いので、その辺から疲労で折れたのかもしれません。このピストンは去年の7月に組み込んでから、筑波サーキットのスポーツ走行を約10回、周回数で350周ほど走っています。

 

裏側はこんな感じ。

 

エンジンを反転してオイルパン側を分解します。

 

クランクケースを分離します。他には特に問題は無いようです。

 

次の仕様は、手持ちのワイセコφ75ミリピストンを組み込みます。シリンダーは井上ボーリングのアルミシリンダー「ICBM」を使う予定。このケースは既にビッグボアも使用したことがあるのでボーリング済ですが、アルミシリンダーに変わるともっと肉厚が必要で大径化するので、スタッドを抜いて更に拡大ボーリングします。

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