床に液体が垂れていたとのことで、オーナーさんによく観察していただいたらブレーキレバーの根元に液体がにじみ出てくることがわかり、フルード漏れしているようなので修理します。
マスターはAPのCP3125-2です。10年ほど前の車両製作時に取り付けたものとのこと。
外から見ると、一見して漏れている形跡は見られません。
レバーを外します。軸のところが少し濡れていますね。
プッシュロッドは結構湿っているので、ピストンシールが傷んで漏れてきているようです。
マスターを分解します。ピストンの入口付近が結構サビています。
準備してあるのはリペアキット、品番はCP3125-2RKです。カップ2個とシム、スナップリングの4点セットです。ピストン本体は含まれません。
ピストンからカップを外すと、酷くサビているのが解ります。サビの粉でカップが傷ついたと思われます。鉄製のピストン表面は黒染めなので、余り高い防錆力は有りません。車両の保管場所は地下駐車場とのことで、経年で錆びたようです。湿気が多かったのでしょうか。
ワイヤーブラシなどで錆びを落とし、新しいカップを組み付けます。
幸い、シリンダー側に特に深いキズは見られませんでした。
マスターを復元してフルードを入れてエア抜きします。
続いて今回入庫してから発覚した不具合を修正します。ジャッキアップした時にリヤショックがガタつくのでアッパーマウントを分解点検します。レイダウンされていますがフレーム側のマウント分の方がショックブッシュのインナーカラーより飛び出ていますね。これではアッパーマウントブッシュは固定されません。左右に若干動き、上下にも内外径差分だけガタつきます。
状況は左右とも同じでした。更にカラーとショックボディー本体が干渉して削れていますね。
リヤショックを少しオフセットさせるため、内径ピッタリのスペーサーを追加します。
これでショックブッシュの方が出っ張り、きちんと固定されるようになります。
外側のカラーは、干渉部分を削って逃げを作ります。
リヤショックマウントは、ストロークによって少し揺動するのでマウントボルトには回転力が掛かります。緩んで脱落しないようネジロックを塗布して取り付けます。
これでガタツキとは無くなりました。
続いてエンジンオイル交換します。
エキパイを外したついでにエキゾーストポート内をチェックします。
1番のエキゾーストバルブガイドにオイルが垂れてきています。ガイドとヘッドの隙間から漏れるようです。まだ白煙として認識できるレベルではないようです。今後悪化していくと思われるので、経過観察してください。
途中でヘッドライトがハイロー共に付かないことにも気が付き、点検します。ヒューズは切れていなかったので回路を追います。バルブカプラーのところにも電気は来ていません。
右のハンドルスイッチとメインハーネスの接続カプラーをいじると点灯するようになりました。接触不良だったのでしょうか。
その接続部のカプラーはこちら。抜け止めの爪が内側に曲がっていたので、走行中の振動でカプラーが抜けかけていたようです。爪を曲げ直して接続します。
最後にサイドスタンドのガタツキも気になったので点検します。スタンド先端で5センチほど動くので、傾きも結構多めです。
ボルトを外してみると社外のステンレスボルトは曲がっていました。首下からネジまでのストレート部分が純正より1ミリほど長いので締め切っていなかったようです。スタンド側のコの字部分も開いていました。ここは純正ボルトに戻し、コの字の部分は平行に修正します。ガタは半減し、傾きも少し減りました。