Z1000R2 R.T様 サイドスタンド修正

先日リヤショックを交換し、今日はフロントフォークオイルを交換して、前後の車高が決まったら、サイドスタンドの傾きを修正します。

 

先ず、フォークオイルを抜きます。ドレンを緩め、

 

バイクにまたがり、フォークをストロークさせます。

 

出てきたオイル量は、問題無いレベルです。

 

ドレンビスの奥のガスケットも外します。

 

新しいドレンビスとガスケットを取り付けます。

 

フォークのトップキャップを外します。

 

エアバルブは目詰まりしているので交換します。

 

新品のエアバルブを取り付けます。

 

フォークオイルはカワサキG15です。オイルレベルは規定値狙いです。

 

フォークオイルを入れます。

 

フロントフェンダーには、オイルクーラーコアと干渉した痕があります。

前回、1センチほど突き出していたインナーチューブを元に戻しておきましたが、このままフルボトムできるでしょうか。

 

フロントホイールの下にジャッキをセットします。

 

フォークを縮めていくと、フェンダーとオイルクーラーが干渉します。

これでもまだフォークはフルボトムではありません。

 

市販のオイルクーラーキットは、このようなレイアウトが多いので要注意です。

 

ホースも長すぎるので、合わせて修正します。

 

コアを外します。

 

オフセット用のブラケットを製作します。これで20ミリアップします。

 

オフセットブラケットを取り付けます。

 

コアを取り付けます。

 

この状態がフルボトムです。これで干渉は無くなります。

実際の走行では、ここまでフルボトムすることは先ず稀ですが。

 

フォークを何度かストロークさせてエア抜きしたら、オイルレベルを調整します。

 

フォークスプリングをセットします。

 

トップキャップを取り付けて、エア圧を規定値にします。

 

続いて、クーラーホースの修正です。この位車体側にフィットさせます。

 

ホースは80ミリほどカットが必要です。

 

使用中のホースをカットする場合、予めカット位置にウエスを仕込んでおきます。

 

そのウエスごとカットします。

 

残りのウエスを取り出せば、ホース内にゴミが入ることはありません。

 

フィッティングを組み付けます。

 

反対側も同様にカットします。

 

ホースの修正が完了しました。

 

前後の車高が上がったところで、現在のサイドスタンドでの傾きはこのくらいです。

 

修正後の角度を想定し、リジットラックで車体を支えます。

 

サイドスタンドは5センチくらい浮いた状態です。これを修正します。

 

サイドスタンドを取り外し、カット位置にマーキングします。

 

3分割します。

 

直線的に、且つ、少し長くなるように並べ替え、溶接で仮付けします。

 

車体に合わせて長さを確認します。

 

V字開削した部分を全て溶接で埋めていきます。

 

溶接で盛ったら、仕上げに研磨します。

 

車体に取り付け、角度と剛性感をチェックします。

 

塗装して完成です。

 

バンク角も十分です。

 

続いて、エンジンカム周りを点検します。これはエンジン整備の履歴が解らないので、念のための点検です。

 

プラグキャップはしっかりはまっていませんでした。

内部のターミナルをみると、かなり錆びています。

 

ターミナルには、接点復活剤を塗布しておきます。

 

キャップの滑りが悪いので、ダミーのプラグにシリコングリスを塗って、キャップ内を潤滑しておきます。

 

奥まで差し込むとこの位置まで入るので、キャップ取り付けの際は確認しましょう。

 

ヘッドカバーを外すので、コイルを外します。

 

ヘッドカバーを外し、カム周りを点検します。

 

先ず、クランキングを正転逆転し、テンショナーの具合を点検します。

少しバックラッシュがでるので、テンショナーは戻り易くなっているようです。

 

バルタイを確認するため、クランクを1番上死点に合わせます。

 

バルタイはズレています。

 

エキゾーストは1コマ遅れています。

 

インテークも1コマ遅れています。

 

バルブクリアランスを計測します。こちらも半数は要調整です。

 

カムホルダーの締め付けトルクを確認します。

ボルトが手で回せるところもあり、5か所はトルクが掛かりませんでした。

 

黄色いマークがトルクが掛からなかったところです。

 

シリンダーのM6ボルトも、トルクが掛かりませんでした。

 

テンショナーを外すため、キャブを外します。

 

テンショナーはノーマルです。

 

キャブホルダーは劣化してクラックが入っています。

 

エンジンをCCDカメラで内視します。

 

4気筒ともこんな感じで、カーボンの堆積は多め、酷いシリンダースカッフは特にありません。

 

カムチェーンを観察しながら正転逆転クランキングすると、テンショナーが引っ込むのが確認できました。

 

インテークバルブは4気筒ともこんな感じできれいです。

 

テンショナーを外します。

 

少し手で戻せる状態なので、新品交換します。

 

カムホルダーを外します。トルクの掛からない所はネジ山がせん断されています。

 

カムを外します。一部、ヘリサートで修理されていますが、ヘリサートも傷んでいるところがあり、今回は全数にヘリサートを入れたいので、ヘッドを外しての作業となります。

 

2番インテーク側のカムメタルの穴に何かあります。

 

メタルを外してみます。

 

何か、上からつついたような痕があり、バリが出ています。ヘッド分解時に取り除いておきましょう。

 

エンジンは腰上分解の必要ありとなりました。